2021年7月11日日曜日

自然災害の歴史

コロナ禍が続いているため、都心への外出は控え、近所の川歩きを楽しんでいますが、最近の水害の酷さを見ると、川べりを歩いて、橋を見つけて楽しんでいるだけで良いのだろうかという疑問が湧いてきます。

熱海や九州では大水害に襲われてご苦労をされている方も多い中、安全な場所で暗渠を楽しんで散歩していてよいのだろうかと、思わずにいられません。

とくに熱海では逢初川という美しい名前の川の氾濫があり、鹿児島では出水や湧水という土地や川の名前を見るにつけ、川の引き起こす水害の恐ろしさを感じました。

とはいえ、災害地に出かけることもできず、ただハラハラとしてテレビのニュースを見守っているだけです。

せめて自然災害の歴史はしっかりと知っておきたいと思い、先日購入した磯田先生の「災害の日本史」▼をきちんと読むようになりました。

https://toshiko72.blogspot.com/2021/07/blog-post_6.html?m=1

その中で印象的だった言葉は、「時代の混乱期には災害や異常気象、感染症(疫病)流行などが相次いでいるケースも多い。政治の乱れに天変地異が重なり、社会が不安定になる」という説明でした。

戦乱の多かった南北朝は、特に異常気象が続き、寒冷な年だったそうです。洪水や旱魃によって米が不作になり、年貢を得ている武士たちも打撃を受けて、社会不満が高まります。

異常気象が先きなのか、あるいは不安定な社会が先だったのか、どちらが原因と結果であるか分かりませんが、相次ぐ災害のため、政治がきちんと対応できなかったこともあると思います。

また幕末には大地震も起こり、これも人々に不安を抱かせ、またころり(コレラ)が蔓延したのも、幕府の崩壊に少しは影響があったのかもしれません。

それを思うと、現在の政権の不安定さ、人気の無さは異常気象や天災、そしてコロナ禍による人々の不満や生活の不安定とも無関係では無いと思います。

日本各地でこれだけ大きな災害が起こっているのに、オリンピックだけは開催するという政治的判断は、後世の教科書にはどのように掲載されるでしょうか。

それでも、この本の中に、少しは気が休まることが書いてありました。

それは日本は自然災害の多い国ではありますが、他の国に比べると政治的な混乱による死者は少なく、比較的安定した国であるという点でした。

日清戦争の死者は13,000人でしたが、翌年起きた三陸大津波では死者は22,000人ほどいたそうです。

またアメリカの南北戦争では62万人の死者が出たそうですが、同じ時期日本で起きた戊辰戦争では死者は1万人足らずだったそうです。それが良いとは言えませんが、せめて同じ日本人同士での殺し合いはしてほしくありませんね。

こんな世の中ですが、楽しみは大谷翔平くんの活躍ばかりですね。

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一日一句

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