この本を購入したのは、今年の6月末のことでした。
最近の読書傾向としては、それまで大好きだった歴史小説とは離れて、川や暗渠などの地形の本を読むようになりました。
といっても、地形の話は東京の場合、都内を扱っているものがほとんどですし、多摩地区の場合は奥地の山地を扱っているものが多くて、私の興味の対象である23区と多摩の境あたりを対象にした読み物はほとんどありません。
またあまりにも専門的すぎるものは読む気が起こらないし、私の頭ではついていけなくなります。
それで近くの本屋で何か分かりやすくて面白い本は無いかと思っていたところ、私の好きな磯田道史先生のこの本を見つけました。磯田先生のことは「武士の家計簿」を読んでからのファンでした。
この本はごく最近、2021年2月に出版されたもので、小学校高学年から中学生向けに書かれたものだと思います。
とはいえ、内容はかなり専門的で、地形と歴史の両側面から捉えたものでした。
地震や津波、台風や水害などの自然災害の歴史に加えて、感染症の歴史も説明されています。
そしてその本を買って数日したところ、熱海市の土石流災害が発生しました。
熱海といえば、去年の3月、そして一昨年の夏にも出かけたところで、私にとっては身近な場所です。そこであのような大規模な災害が起きたことは、ショックでした。
この本を開いてみると、土砂災害の日本史も語られていて、そのページには、このように書かれていました。
《日本では高度成長期以降に丘陵地での宅地造成を進めたため、住宅地で土砂災害が起こりやすい。造成した土地は、山をけずった「切土」と、土で埋めた「盛土」に分けられるが、土地を埋め立てている後者のほうが崩れやすい。》
まさに、今、問題となっている盛土のことが書かれていました。
そして土石流の前兆がいろいろと書かれていました。「木の根が切れて、泥のような異臭がする」というのも、ニュースで言われていたことと同じでした。
日本のような災害の多い国に住むものは、歴史を学び、それを後世に伝える必要があるのだと、痛感しました。
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一日一句
ツィッターの 画面が轟く 山津波
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