2023年12月27日水曜日

【玉川上水 31】橋めぐりと羽村堰

玉川上水の最終地点である羽村堰に行くために、今回のスタートは、前回の終点だった福生駅です。

福生駅前で記念撮影。

今回は5人で歩きます。

最初の橋は、前回に訪れた「宮本橋」。

ここから少し歩いた次の橋は、「加美上水橋」でした。


この橋は、大正天皇の墓地を作るために、多摩川から石を運び出す運搬専用の橋だったそうです。昭和2年に作られました。1日2回、砂利を運搬する電車が通っていたそうです。

その後、昭和36年に線路は撤去されて、このあたりは加美上水公園となりました。

ここには富士山のビュースポットがありました。写真の中央に見えるのが富士山です。真っ白でした。

またここには、旧玉川上水跡がありました。

玉川兄弟が作ったのはそちらですが、90年後ほどしてから、多摩川の洪水被害を避けるため、一部区間に新たに上水を作り直しました。それが現在のルートになっています。

福生市指定史跡「玉川上水旧堀跡」の石碑です。


ふむふむ。旧道を観察しています。


ちゃんと堀の跡が見えますね。


そこから200メートルほど歩いたところにあるのは「新堀橋」です。


以前の堀は多摩川と近く、洪水の被害も多くありました。土手はしばしば崩れたそうです。そのため、40メートルほど東側に新しく掘られました。それで新堀橋、と言うのですね。

ここは福生十景にも選ばれているところだそうです。

ここを過ぎたあたりから福生市から羽村市になったと思います。

お次は「堂橋」でした。わりと小ぶりな橋でした。

ここから1キロほど歩いたところにあったのが「羽村大橋」です。ほんとに大きくて立派な橋でした。


多摩川と玉川上水の両方に架かっている長い橋です。
上まで登るわけにはいかないので、橋名は遠くから写しただけでした。

この後は東京都水道局羽村ポンプ所となります。
こちらは第三水門です。

大きなプールのような施設でした。水鳥が気持ちよさそうに泳いでいました。

「羽村橋」です。

ぼーっと歩いているところを写されてしまいましたね。


さていよいよ玉川兄弟の像に到着しました。


立って指を指しているのが兄の庄右衛門。座っているのが弟の清右衛門です。
杉本苑子さんの小説によれば、しっかり者のお兄ちゃんと、ちょっとやんちゃな弟、というイメージでしたけどね。

近くにいたおじさんに写真を写してもらいました。みんな満足げな顔をしていますね。


その後、堰を見に行きました。

ちなみに「堰」という言葉ですが、「解説・河川管理施設等構造令」では、「堰とは、河川の流水を制御するために、河川を横断して設けられるダム以外の施設であって、堤防の機能を有しないものをいう」という定義があるそうです。

またダムと堰との違いは、堤防に接続するものが堰、山に接するのはダムという違いがあるそうですが、高さによっても区別されています。15メートル以上あるのがダム、それ以下のものは堰と定義されているそうです。

なるほどね。

また堰にもいろいろ種類があり、水位が固定されている堰、調整できる堰などにも分類できるそうです。現在の羽村取水堰は、右岸が固定堰、左岸が可動堰になっているそうです。

難しい区別はさておき、このあたりの多摩川は、ゆったりと流れていました。

山梨県の源流と、東京湾の河口の中間あたりになるのでしょうか。


そこを堰き止めて、玉川上水として用いたのですね。

この羽村取水堰は、「投渡堰(なげわたしぜき)」として、江戸の発展を支えた歴史的価値の高い施設であるとして、土木学会の土木遺産として認定されています。当時の投渡しの技術は、現在まで継承されている貴重な土木遺産だそうです。

ところで投渡堰というのは、洪水の時に、あえて門扉を切り離し、水に流してしまうことで、水の勢いをかわし、被害を最小限に食い止める方法だそうです。つまり自己犠牲の精神に満ちた堰なんだとか。この方法が江戸時代から伝えられているということです。現在の羽村堰では可動堰の部分がその方法をとっているそうです。

堰の横にある第一水門から取水され、第二水門で水量を調整しているそうです。

なかなか難しい説明ですが、こうやって洪水からの被害を防いでいるわけですね。

こちらは昔の牛枠という道具です。奈良時代からあったとか。

木だけでは水中で浮かんでしまうので、水の勢いに負けないように、川床に石を詰めて固定します。

この日はちょっと風が強く吹いていましたが、およそ5キロほど歩いたでしょうか。

この後ランチをして、羽村駅近くにある「まいまいず井戸」を見学に行きました。

この日の橋。

今回も、写真はちひろさんはじめ、同行したみなさんが写したものを使わせていただきました。ありがとうございました。

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参考資料

「川のなんでも小事典」講談社 ブルーバックス

「しんこうWEB」一般財団法人建設業振興基金 建設業しんこう

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「一日一句」

多摩川の 水を江戸へと 大事業

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