そう、有吉佐和子さんの小説を舞台にしたお芝居ですが、あっと驚くキャストでした。
主人公は二人いるのですが、そのうちの一人、男遍歴を重ねて生きているどうしようもないお女郎さんの母親がピーターこと池畑慎之介☆。
そしてもう一人の主人公は、芸者としてきっちり生きて行く聡明な娘が高橋恵子。
お二人ともだいたい同じお年頃だと思うのですが、そのお二人が母と娘を演じているのが面白かったわ。
ピーター(本当は池畑慎之介☆、と書かなければいけないのでしょうが、私にとっては彼はピーターです)は、本当にきれいでぴったりの役でした。
花魁姿もとてもあでやかだったし、妊婦姿でどっこいしょと座るところも可愛らしかったし、年をとってからも派手好きで男好きで自由奔放に生きて、最後は・・・というおかしくも悲しい姿を演じていました。
高橋恵子(私にとっては関根恵子ね)は10代の役はさすが無理があったけれど、中年になってしっかりものの女将となるころは、ほんとに素敵でした。
着物を何回も変えて登場していたけれど、縦縞の白い着物はすっきりとした着姿でほれぼれしてしまいました。そんな彼女にも思いこがれた人がいたのですが、戦争の犠牲となり、その恋を諦めてしまったのでした。
そしてこれぞ適役だと思ったのが佐藤B作。
ピーターを慕ってどこまでもついていく律儀で野暮な下男の役、うまかったですね。
お話は戦争前の昭和10年代ごろから、戦後の昭和45年(大阪万博のあった1970年)ごろまで時代を追って進みます。
私にとっての見ものは、登場人物の着物姿でした。
主人公たちの着物はもちろん、女中さんや芸者さんの人たちの着物も、それぞれの時代背景を写していて、面白かったですね。
昭和の後半の頃のお話は、私も実体験の記憶があるので、懐かしいシーンもありました。大阪万博の「こんにちは、こんにちは ♪」という三波春夫(字は合っているかな?)という唄は一世を風靡しましたね。
お客様はほぼ全員が中高年の女性だったので(私もそうですが)、皆さん、引きこまれるように見ていました。
「香華」の原作はだいぶ昔に読んだのですが、もう一度読み返してみようと思いました。
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この日の装い。
劇場というところは、だいたいが冷房がきつくて私には寒すぎるところなので、夏着物はやめて、紬の単衣にしました。ほとんど炎天下を歩くところがない場所へ行く時は、冷房病を避けるためには、自己防衛をしないとなりません。
お芝居を見ている間は膝かけをしっかりとして、幕間には温かい飲み物で身体を温めます。
サイズが小さいので安かったのでしょう。
昨年、カナダに行く時に、旅行用に汚れたらあちらで処分する(妹のところに置いてくる)つもりで買いましたが、持ちかえって、けっこうその後も着ています。
胸のところにしわが寄ってしまって、まずいですね~。
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