2018年8月24日金曜日

「広島に咲く希望の花カンナ」

三味似粋人ジャパン▼の浄瑠璃ライブ「野澤松也創作浄瑠璃弾き語り」は、2011年から始まったそうですが、今回で29回と回を重ねています。
これだけ継続して活動するのは、えらいものですね。


毎回、古典浄瑠璃と創作浄瑠璃が演奏されますが、今回の古典は「花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)~海士(あま)」でした。
「海士」は海女さんの恋心を唄ったものだそうですが、三味線、小鼓、大鼓のトリオが良かったですね。

義太夫三味線:松也師匠


小鼓:Rさん


大鼓:福原鶴十郎さん


とくに曲の最後の部分は、3人の息があっていて、音が小気味よく響いていて、聞いてて楽しくなりました。割と急におしまいになってしまうのが、意外でしたが。
小鼓のRさんは、お稽古を初めてまだ1年も経っていないというのに、プロのお二人に混じっての演奏は、遜色がないように思いましたよ。

創作浄瑠璃は、8月ということで広島に咲いたカンナを唄った「広島咲希望花カンナ」でした。
原爆で焼け野原になってしまった広島に咲いた、赤いカンナの物語でした。
このお話は、松也師匠が原爆の関係者の方から直接聞いた実話を元に作られたものだそうです。

三味線から持ち替えた、胡弓で弾いた音色が印象的でした。
この弓は、馬の毛でできているのだとか。


この創作浄瑠璃には朗読がついていて、9歳の天才子役・高丸えみりちゃんが堂々と語ってくれました。
テレビや映画、歌舞伎などで活躍されているそうです。


矢絣の着物に、赤い袴姿。
その姿勢の良いこと。


ふと見せる普段の表情もとても可愛らしくて、将来有望な女優さんですね。


演奏の後は、松也師匠の独演会でした。
生い立ちから、三味線をするようになったきっかけ、浄瑠璃から歌舞伎へと移ったときの事情、歌舞伎の舞台裏話などを、たくさん話されました。
最初のライブに伺ったときの印象では、寡黙な方という感じでしたが、実際はたいへんおしゃべりがお好きな方のようです。

私はライブには8回目の参加ということで、素敵なプレゼントをいただきました。
特製手拭いです。


松葉の中に、源氏香が描かれています。
これは何の巻でしょうか?


こちらのライブは「日本橋きもの倶楽部」▼との共催です。


会場には少し早く着いてしまったので、リサイクル着物販売のHさんとお話をしていました。
そこに年配の男性がいらっしゃり、あれこれと女性ものの着物を見ていました。
小柄な方で、女性ものの着物をご自分で直して、着られているそうです。
いろいろとユニークな方法をされていて、「裾なんかはボンドで貼ってしまう」とのこと。
「人様に着せるわけではないから、自分が納得すればそれでよい」とおっしゃっていました。
スマホで写した着姿を見せていただきましたが、どれも女性ものの着物をかっこよく着ていましたよ。
着物の決まり事を超越して、自由に着物を着ていらっしゃり、かっこいいおじさまでした。

こちらのトンボ模様の半襟は「無料でお持ちください」と書いてあったので、いただいてきました。可愛いでしょ?


「日本橋きもの倶楽部」は、いろいろな出店があり、多彩なイベントをされているグループです。

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この日の装い。

きもの倶楽部のメンバーはみなさん浴衣だというので、私も浴衣にしました。
「紅いカンナ」の代わりに、「紅い萩の花」模様の浴衣です。


三重紐を使って結びましたが、短い帯なので、なんだか妙な形になりました。
半巾帯はどうも苦手です。


2 件のコメント:

Rinrin さんのコメント...

素敵なブログ、ありがとうございました✨
この源氏香は、夕霧です。🙂
あい松葉に夕霧の源氏香が、松也師匠の洒落紋なんです。

おおしまとしこ さんのコメント...

Rinrinさん、お返事が遅くなり失礼しました。
そうですか、夕霧なんですね。
お坊ちゃま育ちで、幼馴染との恋愛を成就した夕霧さんですけど、
中年になってまた恋愛に走っていますね。
松也師匠と共通するところはあるのかしら?