朝井まかてさんは現代の時代小説家としては、非常に優れた作家さんだと思うのですが、たまに私の波長と合わない作品があります。
この「悪玉伝」もそのうちの一つでした。
大胆な牡丹の表紙の絵に魅かれて読みだしたのですが、なんだかピンと来ませんでした。
大坂の商人の相続話が、かなり長いページを割いてだらだらと続き、事件らしきものは一向に起こりません。
それがどういうことか、急に大岡越前守が登場します。あの「大岡裁き」で有名な人ですね。そして8代将軍吉宗が登場します。
大坂と江戸の対立という構成のようですが、急に話の舞台が変わってついていけませんでした。
実はこの小説は実際にあった事件を元に書いているそうですが、その事件も知らず、なんだか理解できないままでした。
これは2018年には司馬遼太郎賞も受賞している小説だそうです。
そういう素晴らしい本だそうですけど、私にしては珍しく途中で投げ出してしまいました。
ネット上の書評を見ると、すごく良いと拍手を送っている人と、私同様、よく分からずつまらなかったという意見の二つに分かれていました。
いつかもう一度、じっくり読んでみたいと思いますが、その日が来るでしょうか。
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「一日一句」
寝そべって読むは夜長の愉しさよ
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