2021年12月5日日曜日

朝日教育会議 東京女子大学《リベラルアーツ》

私が東京女子大学を卒業したのは、今からおよそ50年ほど前、半世紀前のことになります。

上の写真は、2016年にあるイベントのために訪問したときの本館です。正面には「およそ真なること」というラテン語(?)が刻まれています。昔と変わらない姿でした。

たしか入学した年に大学創立50周年という節目があり、その後、今から3年前の2018年がちょうど創立100周年という大学でした。

私の在学当時は全共闘運動が盛んな時代で、女子大といえども、反帝学評系などの全学連系と、共産党の民青系の学生の対立もあり、また大学のロックアウトも長く続き、2年生、3年生の頃は、大学での授業はほとんどなくて、アルバイトをしたり古本屋巡りをしていたような思い出があります。

大学では、創立当初から、「サービスアンドサクリファイス」(奉仕と犠牲)というキリスト教精神があり、私たちもそれを叩き込まれていました。新渡戸稲造や安井てつさんの話はよく聞かされました。

しかし本来の意味はなんだかよく分からず、大学の校章であるS&Sは、「サービスアンドセックス」だと他校の男子からバカにされたこともありました。

こちらは構内に建つチャペルです。キリスト教の牧師さんの授業もありましたが、聖書の話ばかりで、試験は一夜漬けでした。

今回、朝日教育会議で、「Society5.0の時代に生きるリベラルアーツ」という東京女子大学の講演があるというので、申しこんでみました。

ポーラ化粧品の代表取締役社長という及川さんという女性が基調講演をしていました。彼女は今から30年前に大学を卒業されたそうです。ということは私よりも20歳下ということですね。

そもそもタイトルの「リベラルアーツ」というのはなんのことやらよく分かりませんでしたが、どうも自由を基調とする学問追求のことのようでした。

彼女は高校も女子校卒業で、そして女子大を卒業した女性でしたが、学校にいた時はなんでも自分たちでやってきたのに、男性社会にでた途端に、女性であることを嫌でも見つめ直すことになったという話をしていました。

(その点、私は男子が多い高校にいたので、女子大の印象は異なります)

ちなみに私が在学当時、先輩社会人として有名なのは、高島屋デパートで日本初の女性常務になった石原一子さんという豪快な女性でした。

今回の講演の中では、女性の貧困や格差問題、女性の自立のサポートについても触れていましたが、それとポーラ化粧品社長としての立場がどうつながるのか、その辺りは聞き逃してしまったのでよく分かりませんが、夢を売る化粧品会社の企業人としての立場は、微妙なのではないでしょうか。

その後、東京女子大学の教授の講演やパネルディスカッションもありましたが、今の女子大生は社会問題を真正面から取り組んでいるという話もありました。

新聞やニュースなどで見ると、若い女性は衣食などの華やかな面ばかり強調されたり、あるいは女性の貧困や格差が強調されたりして、私には実態がよく分かりません。

周囲に年頃の女子大生がいないせいもありますが、ジェンダー後進国と言われている日本で、女性が自立するのはやはり困難があるのでしょうか。

私が在学中の半世紀前は、全共闘時代で、世の中が荒れていて、若者はみな怒りに燃えていたような記憶があります。

現在、女子大の授業やゼミの中では、アクティブラーンングといって討論を重視したり、問題解決を求めるグループ討論や議論が盛んだそうです。女子大の中で討論して、それが女性問題の解決策になると考えるのは、ちょっと机上の空論ではないかと思いましたが、やらないよりは良いでしょう。

この手の講演を聞くと、「ダイバーシティ」とか「SDGs」など横文字を使われることが多く、とかくかっこよい響きになりますが、もう少し具体的に分かりやすく、おばさんにも分かるように説明してくれると良いと思いました。

50年前に社会学を学びましたが、老化が進んでしまった私には、あまりよく理解できないネットでの講演視聴でした。

そして東京女子大学は、何よりも私には向いていない大学でした。今からでも高校3年生に戻り、別に受かった大学に行っていたら、人生はまるで違ったものになっただろう、と思い返すことがあるのです。

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「一日一句」(今日は俳句ではありません)

半分なつかし 半分悔やむ





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