うちの近くには、郷土博物館があります。調布市の歴史と文化を縄文時代からずっとたどり、昭和・平成・令和の時代までの民衆の生活用品などが展示されているところです。
作られたのは昭和49年だそうで、かなり古い建物ですが、深大寺や多摩川の歴史もわかるので、たまにフラっと行ってみる場所です。
今回は、「川と水のある暮らし」という企画展があったので、それを見に出かけました。
調布市には、多摩川と野川という川が流れているのです。
最初は一人でざっと見てきましたが、2回めは暗渠が好きで、昔の地理もに詳しい、Aさんをお誘いして出かけました。
フロアには、川の流域で生活していた人たちが使っていた道具が展示されていました。
このあたりでは、多摩川などの河川から用水を引いて農業用に水を使っていました。また水車は米や蕎麦などの穀類の製粉に利用されていたようです。
漁業では鮎釣りが盛んで、その釣り道具なども展示されていました。多摩川を渡る筏なども展示されていました。
また明治時代には、この辺り一帯は今のアミューズメントパークのようなところで、芸者さんもいれば、子供遊園地やプールもあるという、すごい歓楽街だったようです。
こんな粋な舟遊びもしていました。
展示品の中で、いちばん胸に焼き付いたのは、多摩川の上流から下流まで、筆で描かれた地図でした。細長い和紙が折りたたまれていました。鮮やかな色彩を使い、家や田んぼ、取水口などが、丁寧な文字で細かく説明されていました。
昔の人がいかに川や湧き水を大切に利用していたかが、分かるようでした。
川は水害を引き起こすこともあり、「岸辺のアルバム」のような悲惨な物語も、またいつ再発するか分かりません。
現代の私たちは、水道の栓をひねれば、水はいつでも使うことができます。しかし、ちょっと前までは、水は井戸を掘るなどしないと、簡単に利用できなかったのです。
川の水の重要性と、その驚異を再認識できた博物館の企画展でした。
ということで、ちょっと小学生の作文のようなブログになってしまいましたね。
物館を見学した後は、Aさんに、うちの近所にある気になる地形を見てもらいました。
するとやはり、「ここはかつての水路と関係が深いところに違いない」という意見をいただき、私がそれまで一人で想像していたことと同じだったので、嬉しく思いました。
いつも何気なく見て、何気なく通りすぎている地形が、江戸時代ごろからずっと人々の生活と縁があったことが分かり、ちょっとタイムスリップしたような気分になれました。
山茶花や 水のふるさと 多摩の川
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