2016年4月24日日曜日

2016春 名古屋 5 ~「深尾くれない」~

今度の旅行のお伴は、宇江佐真理さんの「深尾くれない」でした。


この本は、かなり前に読んだことがあるのですが、もう一度読み返してみました。

彼女のいつもの小説では主人公は町人であることが多いのですが、これはお武家さんのお話し。

そのお武家さん、深尾角馬は、剣の道に邁進していて、新しい流派を立ち上げるべく、妻子には目もくれずに武道に明け暮れていました。

そんな武骨な角馬ですが、どういうわけか、牡丹だけが趣味で、紅色の牡丹を溺愛していました。

その牡丹はあまりに見事なので、「深尾くれない」と呼ばれ、城下では知らない人もいないほどの名花でした。

ところが彼の妻にとっては、自分より牡丹の方を大事にしてくれる夫がつまらなくてたまりません。
そんなことで、彼女は旅の坊さんと不義を犯してしまいます。

そういうお話しなのですが、旅行中は、牡丹の表紙が美しいこの文庫を読んでいました。

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そして私が出かけた先は、徳川園の牡丹祭。
牡丹は大好きな花です。

旅行中に読んでいた小説と、出かけた先が牡丹とは、あまりに話がぴったりと出来過ぎていますね。


ところで先ほどの男・深尾角馬の上司である「大倉殿」は鳥取藩の藩主であり、徳川家康の孫にあたります。

そして片や名古屋の徳川園はちょっと時代は下りますが、徳川御三家筆頭である尾張藩の二代藩主が自分の隠居所として建てたものだそうです。

どちらも徳川繋がりです。


徳川園は2011年にも訪問しました▼が、その時は6月だったので、牡丹は見られませんでした。

今回は思う存分、牡丹を鑑賞してきました。


こちらの牡丹は枝垂桜と美を競っているようでした。
徳川園には、1000株くらいの牡丹があるそうです。


池の周りの新緑もとても美しく、外国人観光客も堪能していました。


また、名古屋城のそばにある二の丸公園でもたくさんの牡丹を鑑賞できました。

こちらは、名古屋城の牡丹です。


えんじ色というのでしょうか、艶やかな色の牡丹でした。


後ろに見えるのは八重桜です。
こちらもきれいでした。


私は個人的には「くれない」色の牡丹よりもピンクの牡丹の方が好きですが、深尾角馬が愛でていた牡丹はどんな色だったのだろうと思いました。

旅行の間に、見事な牡丹を眺めることができて、嬉しく思いました。

そしてまた、先日お亡くなりになった宇江佐さんを偲ぶことができました。

牡丹尽くしの名古屋でした。






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