久しぶりの「読書から思い出すこと」です。
いろいろ読んではいましたが、なかなかまとめる暇がありませんでした。
さて、内館牧子さんというと、相撲ファンの脚本家で、週刊誌にエッセイを書いている人、というくらいの認識がありませんでした。
失礼ながら、あまり超美人ともいえず、それほど興味がない方でしたが、この小説を読んで、こんなに面白いものを書く人だと、改めて認識しました。
この小説「十二単衣を着た悪魔」のタイトルは、もちろん「プラダを着た悪魔」から由来しているのですが、映画のストーリーとはまるで関係がありません。
ごくかい摘んでまとめてみると、何をやってもダメ男の主人公が、ある日、急に「源氏物語」の世界にワープしてしまいました。
そして「源氏物語」のお話しの中ではそれほど活躍したわけでもない弘徽殿の女御という女性のファンになってしまい、平安時代を生き抜くというお話しです。
このダメ男君には超優秀でハンサムでスポーツもできるという弟がいるのですが、ダメ長男対優れ者の次男というのは、源氏物語の帝対光源氏というパターンと同じ、ということで、ダメ男君もがぜん張り切るのです。
私は2008年の源氏物語千年の年には、かなりの量の源氏関係の本を読んだり、講演会に出かけたりしました.
その年の大晦日のブログ▼は源氏物語で〆ています。
しかしその中にも、はっきり言って内館さんの小説を超えるようなあっと驚くものはありませんでしたね。
源氏物語を知らない人でも、知っている人でも、これは絶対に読んで損はない小説です。
おススメ度100パーセントです。
この小説を読んだ後に、もう一度、本家の紫式部の源氏物語(もちろん現代語訳版でOK)を読み直してみるのも、良いと思いますよ。
そして内館さんという方は、実は東北大学で宗教学の修士課程も修了された優秀な方だということを知りました。
この小説のおかげで、ちょっと彼女を見る目が変わってきました。
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