2019年10月3日木曜日

2019年9月 静岡 4 芹沢銈介美術館

2年ほど前に、渋谷ヒカリエで「静岡展」を見る機会がありました。
静岡県内の名所旧跡や、特産品などが展示されていました。

その時、目に焼き付いたのは、芹沢銈介のポスターでした。
この人の作品は、駒場の日本民芸館で知ってはいましたが、静岡生まれだということは知りませんでした。
それで、静岡に行く時には、是非、芹沢銈介美術館▼にも足を伸ばしてみたいと思っていたのでした。


今回、静岡に旅行に行く前に、この美術館のことを調べていると、なんと登呂遺跡の隣にあるということが分かり、びっくりしました。
下の看板の、赤丸が美術館で、緑の丸は登呂博物館です。


現地に行ってみると、登呂遺跡と美術館は共通のチケットになっていました。
そして、場所も本当に隣接していて、両方見ないともったいないくらいの関係にありました。


芹沢という人は、1895年(明治28年)生まれで、1984年(昭和59年)に亡くなり、その肩書はひと言でいえば、染色家とでも呼べばよいのでしょうか。
現在の東京工業大学図案科で学びました。
その後、沖縄の紅型に刺激を受け、多くの作品を生み出しました。


彼の活躍ぶりを眺めていると、とても広範な分野において、活動されていた方でした。
着物や帯は当然のことながら、屏風、カーテン、のれん、本の装丁、絵本の挿絵、カレンダー、包装紙、マッチケース、年賀状、クリスマスカード、扇子、うちわなどなど数え切れないほどの作品を作っていたのです。


そしてそのどれもが日常的に使われるもので、暮らしに溶け込んでいて、違和感のないものでした。
大胆な色使いと、斬新なデザイン、どれもが素敵なものばかりでした。
天才的な人だったのでしょうね。


あまりに多くの作品があり、この方は、作品をお願いすると、嫌だといって断ることができない人だったのかもしれないと思いました。

また芹沢は収集家としても有名で、世界の工芸品をたくさん集めていました。
ヨーロッパ、アフリカ、インド、メキシコ、など各国の工芸品もたくさん展示されていました。

そして作品も素敵でしたが、この美術館の建物もとてもモダンでかっこよかったです。
南欧風とでもいうのでしょうか、のびのびとした雰囲気でした。


噴水もかっこよい。


ちょっと泥臭い登呂遺跡と、モダンな美術館の組み合わせが楽しめたところでした。


(この項、続きます)


2 件のコメント:

カンカン さんのコメント...

静岡に芹沢銈介の美術館があったのですね。子供のころから家に版画の卓上カレンダーが
毎年あったので、大好きな作家でした。静岡は意外と行く機会が少ないところです。
行った時には是非立ち寄りたいですね。東工大の前身の工業図案科出身とは知りませんでした。

おおしまとしこ さんのコメント...

そうなんですよ、私も彼が静岡出身ということは知りませんでした。
カレンダーは、現在も、昔のものと同様なものがお土産用に販売されていました。
驚いたのは、町の小さなお店のマッチ箱のデザインもたくさんされていたことです。
数え切れないほどの作品がありましたよ。
ここは日帰りでも行けると思います。
登呂遺跡の隣にあるのが、面白いですね。