少し前のことになりますが、仙川にあるギャラリー「ツォモリリ文庫」で、植物の絵をたくさん描いている若い画家さんと、植物生態学がご専門の学者さんの対談がありました。
画家さんは浅野友理子さん、学者さんは多田多恵子さんです。
この対談は、浅野さんの絵画展「脈脈」のクロージングセッションとして開催されました。
私は浅野さんの描く力強い絵画に惹かれていたので、植物も絵画も詳しい友人を誘って、参加してみました。
会場の正面の壁画には、どーんと大きな植物の絵がありました。鮮やかなグリーンがはっと目を引きました。
対談の前に、まずは絵画の鑑賞。
浅野さんの絵画は、とても力強く、そして植物の特性をよく捉えた絵だと思いました。
私の一番のお気に入りは、こちらのサフランでした。この紫、素敵でしょう。帯にしたらどんなにかっこいいだろうと、うっとりと眺めました。つまんでいる指が見えます。
この黄色とブルーも素敵。浴衣に良いかな。ここにもマニュキュアされた人の手が見えます。
たくさん並べられた木版画の中では、黄色のびわが気に入りました。
そしていよいよ対談が始まりました。左が画家さん、中央が学者さん、右は進行役の主催者さんです。
多田さんのことは存じ上げませんでしたが、NHKテレビ番組「趣味どき!」でも有名な方でした。幼少の頃から、植物図鑑を眺めるのが大好きで、それが研究の礎となっているようでした。
お二人の植物愛に満ちた対談でした。
世の中にある奇妙な形の植物、嫌な臭いを出す植物、身近な植物、そんな植物に対する話題が尽きませんでした。普段は気にしない道端のありふれた草花や植物に対しても、優しいまなざしを持ったお二人でした。
植物も動物と同様、生き延びること、子孫を残すこと、身を守ることを大事にしているのだと、教えていただきました。とくに植物は自分では動くことができないので、いろいろな工夫をしてタネを移動させるということでした。
また、多くの植物は食べることができるというのは、意外でした。そういえば、私も以前、どんぐりの料理会に参加したこともあったと思い出しました。煮たり、アクを抜いたりすれば、食用になるものが多いようです。
会場の参加者からもいろいろな質問がありました。みなさん、植物に対する知識と愛情がとても深いように思いました。
私は今まで植物のことはあまりよく知らず、色のきれいな花は気づいても、それ以外の植物はあまり目に入りませんでした。
でもお二人の話を聞いて、身近なところにも面白い生き物があるのだと思いました。そして植物の話はとても哲学的で、奥深いものだと痛感しました。
熱気に溢れた対談を企画していただいたツォモリリ文庫の皆様、ありがとうございました。
*******
この日の装い。
自然界に馴染むように、青色の木綿の着物。
0 件のコメント:
コメントを投稿