私が山口さんのことを知ったのは、2008年、今からもう7年も前のことです。
当時の私は源氏物語に夢中になっていて、源氏物語に関係のあるものなら、本であれ映画であれ講演会であれ、さまざまな分野のものに触れては、一人で楽しんでいました。
2008年の大晦日のブログ▼に、源氏物語のまとめを書いておきましたが、とにかく源氏物語は、この年のマイブームになっていました。
そんな時、京都で源氏物語絵巻を織物にした展覧会が開催されるというので、興味を持ち、京都のさとさんを誘って相国寺まで見に行ったことがありました。
詳細は、2008年6月4日のブログ▼をご覧ください。
その当時は、私は着物とはまるで無縁の生活をしていたので、その展覧会の良さをどこまで理解できたか分かりませんが、高齢の職人さんが命をかけて織り出した作品に、強く胸を打たれたのでした。
そして、今回たまたま東京でも見られるという情報を知り、急いで出かけて行きました。
その作品は三越の呉服売り場の中でも特に高級な品ばかりを扱う特選売り場にあり、私のような安物着物愛好家にはちょっと足を入れるのに躊躇するようなところでした。
それでも中に入ってみると、素晴らしい山口さんの源氏物語絵巻と再会することができました。
会場には、山口さんのお孫さんに当たるという若い女性がいらっしゃり、いろいろと説明してくださり、また身内でしか知り得ないようなエピソードもお話してくださいました。
絵巻は全部で4巻から成っていて、2セットあり、1つは西陣にありますが、1つはフランスに贈られたそうです。
というのもフランスはジャガード織のメッカなのですが、西陣織はジャガード織を応用したという理由で、その敬意を表してフランスに寄贈されたそうです。
奇遇なことに、彼女は私が見た展覧会を担当していたということでした。
また彼女が10歳くらいの時に描いた絵(紙に描いたもの)を、山口さんが織物にして、帯に仕立てたという作品もありました。とても可愛らしいものでした。
山口さんの帯は数百万円というような高額なものもありましたが、30万円程度の帯も販売されていて、ちょっと安心しました。
他にも美しい菖蒲や梅、重厚な菊などの帯も見せていただきました。
山口さんの作品にはもうお目にかかることもないだろうと思っていましたが、再会できて本当にラッキーでした。
山口さんは紫紘(しこう)という会社を立ち上げていらっしゃいますので、現在はこちらの紫紘のHP▼で山口さんのことを知ることができます。
なお作品はデパートの中ですので、撮影禁止でちょっと残念でした。
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この日の装い。
梅雨時のお天気だったので、菊の模様の浴衣を夏着物風に着てみました。
半襟は手芸品のお店で買ったコットン・レースの生地を切ったものです。
オレンジ色の帯は割と薄手なので、あまり暑くなくてよいのですが、後ろのお太鼓がピシッと決まらないのが難点ですね。
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