和裁士のHさんにご紹介されて、行ってきました。
「彩密友禅」という友禅染め作家のや万本遊幾さんのコレクションでした。
や万本さんは、黒柳徹子さんにパンダ模様の着物を作られたり、美川憲一さんの衣装を手がけられたりしている有名な作家さんです。
それで、私のような者が足を踏み入れてもよいのだろうかと、ちょっと躊躇しましたが、そこは年の功で図々しくギャラリーの扉を開けて入ってみました。
や万本さんはとても気さくな方で、直々に友禅染の工程の説明をして下さいました。
今回のメインであるこちらの訪問着は、大きな羽根を見たことがきっかけになり、そこから下図を描きおこし、何回も修正しながら、この素敵な模様になったということでした。
友禅染は、図の周りの部分を元の生地の白のままにするというのが、特徴だそうです。
大きな翼が描かれた訪問着。
遠くから見ても素晴らしい着物でしたが、近くで見ると羽の中にも細かい模様が入っていて、とても美しいものでした。
そしてこの精密な絵の訪問着を仕立てたのがHさんでした。
絵の柄の続き具合をしっかりと合わせるなど、ものすごく神経を使う作業だっただろうと思いました。
写真だと、美しい色彩がうまく写らなくて残念。
実は手が届かないほどお高いのだろうと思っていましたが、何百万円もするほどではなく、ちょっぴり安心しました。
この帯は30万円だったと思います。
こちらは、私が一番気に入ったもの。
お花とペイズリー模様の組み合わせですが、実は最初は帯に絵を描いたところ、その帯を使用した方がとても気に入って、着物も染めることになったそうです。
色もとても素敵でした。
オシャレなのは、着物の八掛(裾の裏地)にも、帯と同じ模様を描いたこと。
この部分は、外からは見えないのですが、歩くとちらりと見えるのが、着物上級者なんですね。
焦げ茶色とブルーの組み合わせは、私も真似してみようと思いました。
また染めの着物というと、柔らかい生地を使用することが多いのですが、こちらの着物は紬の生地に模様を描き、元の白を染めないで残したのが、とても素敵でした。
ピンクに白い野バラと童子のお着物。
上を向いているお顔がふっくらとしていて、とても可愛い。
素敵な作品の数々。
ちらりと見えるのが作者の、や万本さんです。
や万本さんは、呉服屋さんのおうちに生まれて、小さい頃から絵を描くのがお好きだったそうです。
おばあさまに可愛がられて育ったそうです。
一時は呉服屋の息子であることが嫌だったこともあるそうですが、友禅作家になるのは、きっと必然だったのかもしれませんね。
ご一緒に撮影していただきました。
美しいスタッフの方に写していただきました。
ピンクの着物を背景にして、にんまりとしている私です。
実は、「ブルーローズ」という素敵な青いバラの着物があったのですが、写真が見当たらなくて、がっかりです。
会場には、や万本さんの作品の他に、彫金作品、竹で昆虫を作ったもの、などいろいろありました。
中でもジュエリー造形の森本盾二さんの作品は、京都の平安神宮でもお目にかかったものなので、東京でまた見られたのは感激でした。
今回の作品展は、羽や「飛ぶ」ことに関連した作品が多く、それぞれが大空に飛び立っていくような素敵なものばかりでした。
美しいものを拝見すると、自分も少しは優雅な雰囲気になれるものですね。
この作品展は9月9日(水)まで表参道の「ギャラリー・コンセプト21」で展示されています。
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