2018年3月16日金曜日

謡曲「隅田川」

どうしても3月15日に、隅田川のほとりで謡曲「隅田川」を謡う必要があった・・・・。


と言われても、なんのことかよく分からないでしょうが、実は謡曲「隅田川」に登場する、梅若丸少年が亡くなった命日が、3月15日なのでした。

ということで、観世流・梅若会のシテ方山中迓昌先生と、すみだラブのTさんが企画された「隅田川の謡で能楽にふれて楽しむ」▼が3月15日に開かれました。

会場は隅田川にかかる吾妻橋を渡ったところにありました。


橋のたもとにある吾妻橋観光案内所のレストランでした。


こじんまりしたレストランには、こんな能面が置かれていました。


墨田区の観光マップも。
このあたりには、いろいろな名所旧跡がありますね。


まずはサンドイッチと鶏のから揚げをつまみながら、リラックスタイム。
季節にふさわしく、桜の花も添えてありました。
なんと箸置きも、桜の花びら型でしたよ。


その後に、山中迓晶先生が謡曲「隅田川」の解説をして下さいました。
この謡曲は今から600年前、世阿弥の息子の観世元雅が作ったそうです。
「伊勢物語」の東下りの部分が元になっていました。


人買いに買われて、行方が分からなくなってしまった息子を探して、都に住む母親が東国の果ての隅田川までやってきました。
季節は春、沖にはカモメが飛んでいます。
母親は、船頭からは、芸を見せろと言われます。


実は息子の梅若丸は、3月15日に亡くなっていた、ということを知ります。
そして母親は愛児の死を悲しみ、悲しいお話で終わります。
実際に能で演じると、1時間40分ほどの長さになるのだそうです。

参加者はさすがに着物の方がかなりいらっしゃいました。
みなさん、優しい感じのお召物でした。


こちらは先生が持っていらっしゃる謡の教本。
右にある点々が調子を表しているそうです。


謡曲を聞いて、みんなで集合写真を写して終了となりました。
それぞれ迓晶先生とも、写していただきました。


迓晶先生の夢は、いつかは隅田川で、能の「隅田川」を演じてみたい、ということでした。
実現されるといいですね。

向こうに見えるのは吾妻橋です。


私の明治生まれの私の祖母は、隅田川のほとりで生まれて、そして謡が趣味でした。
まだ子供だった私には、謡はちんぷんかんぷんでしたが、ひょっとすると、祖母も「隅田川」を謡っていたかもしれないと思いました。
というのも祖母はたしか8人ほど子供を産んだのですが、そのうちの半数ほどは、幼少の頃に亡くしてしまったり、戦争で亡くしてしまっていたのです。
母としては、悲しい思いもたくさん経験していたのでしょうね。
これは私の想像ですが、梅若少年の死を嘆く母親の気持ちは、祖母には分かりすぎるほどだったのかもしれません。

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この日の装い。

20℃以上ある暖かい日でしたので、結城紬の単衣にしました。
結城紬はとても暖かいので、単衣はあまり着るチャンスがないのです。


トウモロコシ色の着物です。

帯は淡いオレンジ系統の花模様にしました。
ちょっと真面目な組み合わせです。


いただきものの長羽織にしましたが、これでも暑かったです。




3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いつも素敵な集りに出掛けていらっしゃいますね♪
としちゃんさんの記事を読ませてもらうと
こちらまで楽しい気持ちになります♡
能の隅田川は私も大すきです
すっかり引き込まれてしまって最後は大泣きです
隅田川での”隅田川”、本当に観てみたいです

siroajisai さんのコメント...

コメントを投稿しましたが不手際で匿名さんになってしまいました
上の隅田川のコメントを投稿したのはsiroajisaiです
宜しくお願いします♡

おおしまとしこ さんのコメント...

siroajisaiさん、こんにちは。お久しぶりです。
コメントいただき、ありがとうございます。
能の「隅田川」をご覧になったのですね。大泣きされたのですか。
私も一度、見てみたいものです。
このところ、能づいていて、来週は「蜘蛛の糸」を見る予定です。
能はよく分からないところもありますが、気分がびしっとして、気持ち良いですね。