2019年9月7日土曜日

藝祭2019

昨日は、藝祭2019▼に行ってきました。

「藝祭」とは、
「学生主体の大学祭、光る原石たちの芸術祭、はたまた上野を盛り上げる地域祭・・・
藝大生の日々の成果を披露する場でもある祭り」だそうです。

facebookの友人のY子さんから「藝祭で邦楽演奏会があります」というお知らせがあり、面白そうなので、ご一緒させていただきました。
彼女は笛、三味線など、邦楽の世界を楽しんでいらっしゃる方です。

演奏会そのものの開始は夕方からでしたが、その前にもいろいろな催しがあるというので、お昼過ぎに上野に向かいました。

上野公園周辺では、藝大生や藝大出身の方のいろいろなアートが出展されていました。
「コモゴモ展」というのだそうです。


中でも気に入ったのは、こちらの越智俊介さんという若い方の作品。
彼は藝大建築科を卒業して、現在は画家として活躍されています。
その絵画は、色々な素材を加工して作っているそうです。
ラグビーのワールドカップのイラストも担当されているようですよ。


広場には、数々の法被が展示されていました。


藝大のそれぞれの学科や専攻ごとにデザインしたもののようです。


法被の写真を撮影するY子さん。
青空と、カラフルな法被が素敵ですね。


公園から大学に続く道には、たくさんの手作りアートのお店が出ていました。
一番多かったのは、Tシャツの販売。
アクセサリーもたくさんありましたね。
籠バックのバーゲンもあり、心惹かれました。

ただし、藝大特有の美的感覚のもの、ばかりとは言えないようで、地元の手作り市で売られているものとあまり変わらないような気もしましたが。

昔の東京音楽学校の傍を通り過ぎると、大勢の人がいました。


みなさん、藝祭を楽しみにしているようでした。
学生の両親とか、その道の大家、というような方も多いように思いました。
かなり平均年齢が高くて、落ち着いた雰囲気でした。


構内図です。


藝祭の今年のテーマは「カイマミ」だそうです。
「垣間見る」から由来する言葉ですが、源氏物語の世界ではよく登場しますね。
当時は男女が顔を合わせるということは、ほとんどなかったのですが、男性が女性の姿をちらりと見て、恋心を持つ、という場合などに使われます。


構内に入ってみると、学生たちは巨大な神輿の準備中でした。


この頃は一番暑い時間で、学生さんたち、ご苦労様でした。


上半身が馬や牛の生き物。
始祖鳥のようなもの。
天空のラピュタのようなもの。
白馬の騎士。

どんな素材で作られたのか分かりませんが、お金と時間をふんだんに使って作ったものだと思われます。
やはり藝大は予算があるのでしょうね。

それぞれ学長賞とか町内の賞をもらっていたようです。
こちらは学長の生首。


さていよいよ邦楽演奏会の時間になりました。

まずは邦楽と日本舞踊で「萩三番叟」
山田流琴、三味線、鳴り物など、それぞれ10名くらいと、日舞も8名の舞台でした。
邦楽科には、日本舞踊専攻という学生もいるのは、知りませんでした。

次は雅楽。
烏帽子に直衣姿で、まるで宮中の絵巻物を見るような雰囲気でした。
ふにゃ~ん、という音が古典の世界に誘ってくれました。

次の尺八演奏は、男性3名、女性2名でしたが、これが想像以上に素敵で、まるでオーボエとかフルートの音楽を聞いているようなロマンチックな感じがしました。
それでも尺八は、音を出す時には、やはり首を振るのですね。

そしてお目当ての長唄は「鏡獅子 下」でした。
三味線、唄、お囃子が舞台いっぱいに並んでの演奏でした。
ちょっと顔見知りの学生も登場していました。
「鏡獅子」はとても長く、そしてテンポの速い曲なのに、見事に演奏していました。
獅子が舞う様子が目に浮かぶようで、本当に素晴らしかったです。
観客の拍手が鳴りやみませんでした。

この後は琴の演奏がありましたが、私はここで失礼しました。


外に出ると、昼間の暑さは静まり、心地よい風が吹いていました。

芸術家の卵たちの藝大ですが、こんなふうに「カイマミ」るのも楽しいですね。
無料で半日楽しめました。

お誘いいただいたY子さん、ありがとうございました。

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