2020年3月17日火曜日

「二人展」@ふくい291

このところ、コロナウィルス感染拡大予防のため、あちこちの美術館や博物館が閉鎖されています。
他にもいろいろなイベントが中止され、図書館では自由に本を選ぶこともできません。
そんな閉塞状況が続き、美しいものに対する欲求が強くなってきます。

ということでコロナに負けず恐れず、美しいものを見に行ってきました。

会場は、福井県のアンテナショップ「ふくい南青山291」▼です。


ここの2階のギャラリーで、福井県出身の美術家の方お二人の展覧会がありました。


お一人は画家の前壽則さんです。
武生市ご出身です。


銀箔や金箔などの素材を使った、美しい油絵を描いていらっしゃいました。


対象は、ほとんどご自宅のお庭に咲いている小さなお花たちでした。

下の写真の左端にある青い小花は、丁子(ちょうじ)だそうです。
花の位置がTの字のようになっているので、丁子という名が付いたと教えていただきました。
とてもきれいな青でした。


丁寧に丁寧に観察されて、いとおしむように描いていらっしゃるのだろうと思いました。


展示の方法も変わっていて、小さな椅子のような丸テーブルの上に、額が平らに置いてあるのもありました。
優しいおじ様でした。

もうお一人は、何回も個展にお邪魔させていただいている染色家の玉村咏さんです。
福井市ご出身です。
半世紀近くの間、美しい色の着物や帯を染めていらっしゃいます。


こちらは帯です。


玉村先生の作品と一緒に写していただきました。
深緑がとてもシックでした。


この着物の柄の配置が不思議でした。
「羽織ってみると分かる」とおっしゃるので、私も手を通してみました。

どのように不思議かというと、赤い矢印がヒントです。
着てみると、左の矢印が、上前の部分になり、右側の上にかぶせられます。
すると、右の矢印と、右側の矢印が、右の脇線のところで交差するようになるのです。


奥様にモデルになって羽織っていただきました。
正面から見たところですが、裾模様がとても美しい。
下前の模様は隠れていますが、歩くとチラチラと見えますね。


こちらが右側から見た脇です。
上前と、後ろ側の布とが、きれいに山の頂点のようになっていました。
(お袖で隠れてしまいましたが)


後姿です。
ここに帯が入ると、また違った感じになりますね。


玉村先生にお聞きしたところ、このような布を染めるには、まず紙で女性の身体の姿を作り、そしてどの部分にどの柄が来るかを想定して、それから染めるのだとか。
なるほどね、それでこのような美しいデザインの着物が出来上がるのですね。

美しい植物画と、美しい着物に癒された空間でした。
(3月20日まで開催中)

美しいものに堪能した後は、1階の福井県物産ショップに行きました。
私の好物のソースをお土産にしました。
これは普通のとんかつソースと違い、さらりとしていて、とても美味しいのです。
以前、福井市に行った時から、愛用しているソースです。


建物の前にには、恐竜君が白衣を着ていました。
さすがに恐竜の福井ですね。


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この日の装い。

ちょっとオシャレして春っぽくしてみました。
無地の結城紬です。
これは結城に出かけて、布を織る人に直接お話を聞いて、そして決めたもの。
とても暖かいので、単衣仕立てにしてあります。


帯は青山にある「東三季」▼という一軒家の呉服屋さんで見つけたもの。
金銀が織り込まれていて、私としては高い買い物でした。




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