2020年3月6日金曜日

勝海舟記念館へ 1.小説を読んで

私は勝海舟という人は、どうもよく分からない人で、それほど興味はありませんでした。
いったい徳川側の人間なのか、それとも朝廷側の人間なのか、はたまた新政府よりの人間なのか、どっちつかずの立場の人に見えてしまい、あまり好感は持てませんでした。

ところが最近、彼が登場する小説を、立て続けに読むことがありました。

一冊目は植松三十里さんの「おたみ海舟 恋仲」です。


これは勝海舟と、彼の奥さんのおたみさんの若かりし頃の物語です。
おたみさんはもともとは深川辰巳の芸者だったのですが、海舟と結婚した後は、彼の良き伴侶となりました。
植松さんの時代小説は、どれもとても分かりやすく書かれていて、まぁその分あまり深く追求するような小説ではないのですが、これを読んで、勝海舟のことを少しは身近に感じることができました。

その後で、大好きな諸田玲子さんの「お順」を読みました。
これはもう本当に面白くて、歴史的内容もばっちり、男女の情愛もばっちりのものすごくよくできた小説でした。
上下2巻の分厚いものでしたが、あっという間に読み終えてしまったほどでした。


(上巻は写すのを忘れました)

サブタイトルが「勝海舟の妹と五人の男」というのですが、それが示すように、お順の周りに登場する5人の男は、誰も彼もがユニークな人ばかりでした。
まず1人目は父親の小吉。
2人目は兄の麟太郎。
そして初恋の剣豪の男性。
夫となった佐久間象山。
5人目は体の結びつきが最高だったぐうたら男。
みんなスケールが大きくて、ハチャメチャな男ばかりでした。
お順は彼らに振り回されながらも、非常に濃い愛情を抱いていました。
この小説は、お順と、彼らとの関係を描きながら、幕末の動乱時期のことをしっかりと描いた長編小説でした。 
ものすごく興奮しながら読みました。

そしてたまたま東京都の広報誌を眺めていたら、大田区にある「勝海舟記念館」▼の紹介記事が載っていたのです。
なんという偶然!


コロナウィルス騒動の時期でもあるので、記念館に電話で問い合わせてみたところ、いつ閉鎖になるか分からない、というので慌てて記念館まで出かけてみたのでした。
(予想通り、3月2日から閉館となりました)

五反田から出ている池上線に乗って行きました。


「洗足池」駅で下車します。
すると駅の正面に、広い池が見えるという素敵なロケーションでした。


駅前には立派な建物があり、そこに大きく「勝海舟記念館」という文字が見えました。


ところがこれは記念館ではなくて、大田区立図書館なのでした。

(この項、続きます)


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