コロナの緊急事態宣言は解除されましたが、まだまだ新規感染が発生しています。
当分は、自粛生活を続けるつもりの私です。
さて、今日のblogは読書案内。
「散華」の上巻です。
「散華(さんげ)」とは「仏に供養するため花をまき散らすこと。特に、法会(ほうえ)で、読経(どきょう)しながら列を作って歩き、はすの花びらにかたどった紙をまき散らすこと」だそうです。
杉本苑子さんの長編小説です。
この本は、数年前に亡くなった母の長姉が読んでいた本です。
今、生きていたら、102歳でしょうか。
紫式部の一生の小説ですが、分厚い上下巻であり、他に誰も読む人がいないということで、その伯母の娘である私のいとこからもらいました。
「としちゃんなら源氏物語を読んでいるので、こういう本も興味があるのではないかしら」ということでした。
実は伯母が読んでいたのはだいぶ昔だったようで、いただいた時は、本がずっとしまわれていたため、かび臭かったのです。
それでかび臭が取れるまで、しばらくはほおっておきました。
本の帯を見ると、まだ消費税が3%の頃に伯母は読んでいたようですね。
この小説は、紫式部がまだ少女の頃、「小市」ちゃんと呼ばれていた頃のお話です。
彼女のお姉さんや、父、父の妹、弟などが登場して、平安時代の話ではあるのですが、なんとなくホームドラマのようで、すごく面白くてワクワクする、というものではありませんでした。
それでも次第に成長するにつれて、小市ちゃんが魅力的になってきました。
ところどころに若かりし頃の藤原道長が登場したり、イヤミな女性として清少納言が登場したりして、少しずつ面白くなってきたところです。
今は、年上の男性に言い寄られて、「この人に付いて行くべきかどうか」と迷っているあたりです。
小市はもう25歳くらいになり、当時としては完全に行き遅れの年齢です。
これからの人生を模索している最中で、「私はどう生きていったら良いのだろう」と悩んでいるあたりは、現代の女性とあまり変わらない感じに描かれています。
これが上巻で、下巻はいよいよ彼女が源氏物語を執筆するところになりそうです。
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この伯母からはいろいろなものをいただきました。
帯もいただきました。
伯母は着物もたくさん持っていましたが、伯母は大柄だったため、私とは体型が違うので、着物はちょっと無理でした。
焦げ茶色に錦糸、銀糸がミックスされた夏帯。
これは2019年の姿です。
透けていて、フニャフニャの布なので、締めるのはかなり難しい帯でした。
こちらはベージュ色の夏帯。
2018年の姿です。
波の模様が涼しげで、シックな色合いです。
どれも高級な帯で、私には手が出ないようなものばかりでした。
そして伯母からは、象牙の糸巻きの三味線もいただきました。
伯母は長唄の他に清元もたしなんでいたようです。
大切に使っていきます。
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「一日一句」
世は青葉読書タイムが自粛の友
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