先日、インターネット上で面白い取り組みを見ました。
それは「Zoomを使ったリモート環境における人形浄瑠璃とロボットの競演」というものでした。
八王子にある東京工科大学のコンピュータサイエンス学部が主催したものです。
最近、流行りのZoomに興味があったのですが、知らない人の間に入って議論するのはなんだか面倒そうだし、といって「自宅で飲み会」というのも時間的にどうかな、と思っていたところ、たまたまfacebookの「和楽器邦楽グループ」で上記の案内を見たのです。
主催はきちんとした大学だし、他にも都留文科大学や筑波大学の研究者たちが共同で研究をしているようで、ちょっと安心感がありました。
またコロナの自粛により自宅にいなくてはならない状況を考えて、「子どもたちのために人形浄瑠璃とAIロボットとの競演」というキャッチフレーズがありました。
そういうことなら、Zoom初体験の私にもできるかな、と思って申し込んでみました。
当日の朝になり、主催者から参加者全員に向けて、「以下のURLにアクセスしてください」という連絡がきました。
私はスマホにはZoomはインストールしてありましたが、パソコンの方は古い型でWEBカメラがないため、インストールしていなかったのですが、パソコンからそのURLにクリックするだけで、自然にZoomのインストールが始まったのは、便利でした。
開催時間になり、主宰者や参加者が集まりました。
みんなで33人いたと思います。
ご自分の顔を出している人や、私のように顔を出さないで、名前だけの方もいらっしゃいました。
初めに主催者からの挨拶があり、そのあと人形遣いの人から、古柳座の人形の仕組みや、身体の動かし方の説明がありました。
実演は、「日高川」渡し場の段という場面でした。
この人形浄瑠璃はちょっと変わっているものでした。
普通は人形遣いは3人で分担するのですが、こちらは一人の人が操っていました。
そして小さな椅子に車が付いたようなものに座って、動くのでした。
それで「車人形」と呼ばれるのだそうです。
愛する男性の裏切りに悲しむヒロインです。
最後には、よよと泣き崩れる場面でした。
文楽には、若いお弟子さんたちも参加されていました。
その後、「かんなちゃん」という名前のロボットが登場しました。
可愛い着物姿でした。
この子が、語りと三味線に合わせて、身体を動かしたのでした。
そのやり方は、本物の人形の動きを取り込んで解析して、そのデータをAI(人工知能)に覚えさせて、そしてロボットに入れ込んだそうです。
難しい人形の動きを取り込むのは、大変だっただろうと思いました。
「かんなちゃん」は、東京工科大学の研究室からの登場でしたが、背景には本が並んでいたり、パソコンが置いてあったりして、本物の舞台とはだいぶ雰囲気が違いましたが、首をかしげたりして頑張っていました。
ただし、帯がイマイチでしたね。
今回はリモート競演でしたので、人形も、語りの大夫さんも、義太夫三味線奏者さんもみなさん、別のところから出演されていました。
実はこちらの三味線奏者さんは、別のところで活躍されているのを知っている方でしたので、登場してちょっとびっくりしました。
その後、出演者や参加者からの質疑応答などがありました。
実際の舞台では、大夫や三味線は、人形の動きを横目で見て合わせているそうですが、今回のリモート出演ではパソコンの画面を見て合わせるので、それが大変だったという感想でした。
なかなか面白い試みでした。
こちらのイベントの参考▼です。
私もZoomなるものに初めて参加してみましたが、画像とは別に、コメントを文字で入力できるのは便利だと思いました。
音声だけだと、タイムラグが生じたり、うまく聞こえないことがあるのですが、コメントが残るのは良いですね。
なお写真は、パソコンの画面をスマホで撮影したので、私の姿が写り込んでしまっていて、見づらくてすいません。
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「一日一句」
夏浅しAI人形も踊るなり
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