そこで乃木坂にある国立新美術館▼まで出かけたのですが、ここではちょうど第87回国展も開催されていました。
実は国展では、l幼稚園から高校まで一緒だった方が作品を出しているのです。
まずは「貴婦人」のほうから。
講演会でだいたいのことは分かったつもりになっていましたが、やはり実物を見るとまるで違いますね。
そのタペトリーの大きかったこと!
6枚構成になっているのですが、1枚の大きさが3メートルから4メートルくらいありました。これを教会の壁などに吊るしていたそうです。
貴婦人や一角獣はもちろんのこと、赤い画面に描かれている動物や植物が本当に多種多彩で、見ていてとても楽しかったですね。とくにうさぎちゃんはたくさん登場していて、可愛らしかったです。
絵をまじまじと見ているうちに、足元に段があったのに気付かず、私はバタリと前のめりに倒れてしまい、そこにはロープが張ってあり、ものすごい音を立ててしまいました。それだけでも恥ずかしかったのに、係りの人が駆けつけてきて「大丈夫ですか、こちらで休憩されてください」と言われて余計に恥ずかしくなりました。
大きなタペトリーの前で、着物でうつ伏せになっていたのは、それは私です。
せっかくの名画が台無しね・・・。
6枚のタペトリーの他に、中世の人が着用した洋服やアクセサリーなども展示されていて、なかなか味わいのある展覧会でした。
実は宮尾登美子さんの「錦」を読み返しているのですが、その中に主人公の菱村吉蔵(龍村平蔵)が宮内庁から依頼されてタペトリーを制作することが書かれていました。吉蔵はそのタペトリーを作るにあたって、何かに取りつかれたように何回もデザインを考え、何回もやり直しをしたそうです。
このフランス中世のタペトリーを見ながら、織物のもつ魔性を感じました。
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新美術館は何度行っても、その斬新なデザインに圧倒されますね。
黒川記章さんの作品です。
ガラスの向こうには新緑が生い茂っていて、きれいでした。
韓国人の若い女性がたくさん来ていました。みんな、屈託のない笑顔でおしゃべりをしていました。
お次は国展▼へ。
これは絵画、版画、彫刻、工芸、写真の部に分かれているのですが、私が行ったのは「工芸」のところです。
工芸のところには染め、織、陶磁器などが展示されていました。
布地が着物の形になっていると、本当に素敵です。
大胆なデザインのもの、繊細なデザインのもの、すっきりしたものなどいろいろあり、楽しめました。デザインの力というものを感じました。
下の写真の左から2番目の茶色い織物が、私の同級生の作品です。渋くて素敵。
こちらは先月、中野の呉服屋さんで拝見した岡本紘子先生の型染めの作品。
一目で岡本先生のものだわ、と思っていたら、なんとそこにご本人の先生が通り過ぎたので、お話をさせていただきました。
四角い枠のように見えるのが、一つの型なんだそうです。
国展は、どれも本当に素晴らしい作品ばかりでした。
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この日の装い。
25度以上の夏日になるというので、今年初めての単衣着物でした。
青の紬です。こういうあっさりとした着物が好きですね。
帯はクリーム色にオレンジ色の大きな花模様。
前側はそれほどでもないのですが、お太鼓のところはかなり華やかな図柄が出る帯です。
もうこれから袷を着るような日は当分ないかしら?
2 件のコメント:
としちゃん、さっそく行かれたのね。
そうか、本物はやっぱり迫力があるのね。
7月まで開催されているから急がなくてもいいかと思っているのだけど、そうこうしているうちに見逃しちゃうこともあるから、私も早いうちに観に行かなくちゃ。
着物、涼しげで素敵ですね。
足元、気を付けます。
そうそう、こういう展覧会って気がつくともう期間が間近に迫っていることが多いんですよね。それですぐに行ってきました。
ここは乃木坂の駅から直結しているので、濡れないので楽チンですよ。
マサさんも転ばないようにね(笑)。
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