いつもの建築家の先生も参加されましたので、バスの中で少し講義を受けました。
群馬県立近代美術館は、磯崎新さんという建築家が1974年に建てられたものです。
磯崎さんは丹下健三さんのお弟子さんの建築家です。
東大の丹下研究室では黒川紀章や谷口吉生らとともに活躍しました。
数多くの賞を受賞していらっしゃる方です。
「美術品と建物は一体しているものである」という考えの持ち主で、美術館は作品の額縁であるとみなしているそうです。
磯崎さんが建てた美術館の中で有名なのは、よくテレビの地震速報でも見かける水戸芸術館(タワーの高さ100メートル)です。他にも中谷宇吉郎雪の科学館も有名です。
この群馬県立近代美術館の建物の第一の特徴は、12メートル四方の立方体を組合せてできているということでした。
また美術棟では、自然光と人工光をうまくミックスしたガラスが特徴になっています。
この場所は以前は弾薬庫だったところだそうで、広大な「群馬の森」の中に建てられた美術館です。
こちらのバスで出かけました。
この美術館は、高崎からタクシーで20分ほどもかかるという、かなり不便な場所にありました。
途中、高坂のインターチェンジというところで休憩。
私は普段は車には乗らなので、どのあたりを走っているかよく分かりませんでしたが、圏央道ができて、とても便利になったということでした。
美術館の手前にはこんなステンドグラスをはめ込んだ橋がありました。
赤、緑、黄色のガラスがとても美しかったですが、写真にするとあまり目立ちませんね。
ちょうど「県展」というのを開催していたため、とても多くの県民がいらっしゃっていました。
団体用の入場券です。
広場にあるこの大きな馬が、美術館の目印になっているようです。
上から見ると馬の大きさが分かりますね。
ここは2008年に大規模修理を行い、リニューアル・オープンしたそうです。
こちらはレストランの中から外を眺めたところです。
曲線の細いワイヤーのようなものが見えますが、これは建築家の奥さんである宮脇愛子さんという彫刻家の作品でした。この方は昨年お亡くなりになりましたが、宮脇姓は、前のご主人が鉄道旅行作家の宮脇俊三さんだったためだそうです。話がそれてしまいますが、作家の次が建築家という結婚歴はすごいですね。
このワイヤーの作品はあちこちで見かけましたが、磯崎さんは愛妻家なのかもしれません。
建物には大きなガラスがたくさん使用されていましたが、そのガラスの扉に写った私の姿です。
美術館の中では、県展以外に、シャガールやモネ、ルノアールの作品展、新井コー児さんという人の作品展、それに志村ふくみさんの作品展などがありました。
もりだくさんの展示でしたが、それで入館料が300円というのは安いですね。
私が一番うれしかったのは、志村さんの着物や織物の部屋には私以外には誰もいなくて、志村さんワールドの中に一人で浸れたことです。
これは「コレクション展」というのだそうですが、この秋に、染色分野で初の文化勲章を受章された志村さんの作品紹介でした。
桜、紫根、藍、くちなし、紅花、梅などの植物を使った染物はとても美しく、素晴らしいものでした。
近江八幡で生まれたという志村さんの初期の作品や、源氏物語と関連の深い作品、地元の藤原中学の生徒たちと交流して出来上がった作品、端切れなどが20点ほど展示されていました。
作品のタイトルも文学的で、元は職人的要素が強かったのかもしれませんが、染色工芸を芸術の分野まで高めた雰囲気がありました。
新井コー児さんという人は、高崎生まれの高崎育ちの方だそうですが、なんともユニークな絵を描く方でした。
特に女子高生に憧れていたそうで、セーラー服姿の女性の絵が多かったですね。
こちらは撮影OKということでしたので、面白そうな絵を写してきました。
またも女子学生。
どこかで合宿でもしているのでしょうか。
お風呂屋さんの絵。
なんとも不思議な絵画でした。
美術館には4時間近くも滞在していたので、ほんとうにゆっくりと何回も絵を味わうことができました。ただし、ちょっと長すぎる気もしました。
この日はお天気も穏やかで、外にいても寒さを感じませんでした。
広い芝生の上では、こんなふうにして寝そべっている人たちもいました。
この近くには小さな子供が遊べる遊具もあり、日曜日や休日には多くの市民が立ち寄るのだろうと思いました。
落ち葉に敷き詰められて、自然溢れる公園でした。
この敷地内には、「歴史博物館」もあったのですが、工事中で中に入ることができず、残念でした。
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この日の装い。
またまた男ものを作り直した大島紬の登場です。
帯はBerry工房さんのピンクのレース帯。
丈の短い羽織を羽織りました。
格子柄が現代的なので、あまり仰々しくなく着られます。
先日、八王子で作ってもらったビーズの羽織紐を合わせましたが、写真だとちょっと色が飛んでいますね。
レースの帯と、ビーズの羽織紐、ガラス玉の帯留で、ちょっと乙女チック(?)にしています。
この見学では高齢者の方の参加が多くて、杖をつきながら歩いている方も何人かいらっしゃいました。
偉いものですね。
着物姿の私を見て、お年寄りから、「偉いわね」とお声がけいただきましたが、私は靴を履くと足が痛いし、着物の方が暖かいので着ているだけです。
別に偉くもなんともありません。
「昔は私もよく着たのよ」とおっしゃる方もいましたが、どうして着物を着るのを止めてしまったのでしょうね。
やはり手入れが面倒だからでしょうか。
足の形が美しくなくなった年配者には、ズボン姿よりも着物姿の方がずっと美しく見えると思うのですが。
2 件のコメント:
セーラー服の少女の絵、ユニークで面白いですね。お風呂の絵も。
としちゃんの帯もかわいくて素敵。
バスは、市バスですか?だとすると、飲食はダメなのね?
この市民カレッジ、楽しそう。また開設されたら受講してみたいです。
マサさん、今回の見学は普通のバスで行きました。
ということでみなさん、おせんべい、ポリポリしたりでかなり車内が臭っていたわ(笑)。
美術館巡りの企画は年に2回ほどあるそうです。
私も何回か参加しましたが、足の便の悪いところにバスで連れて行ってくれるのは、良いですね。
都内の美術館なら一人でスイスイ行けますが、地方のは車でないと行けないところが多いですからね。
新井コー児さんという画家さん、不思議な絵を描く方でしたよ。
下手ウマ、というのかしらね。
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