先日、川崎の柿生(かきお)という、今は高級住宅地になっているところに出かけてきました。
まだ草木が生い茂っている柿生の一角に、草木工房という染の工房がありました。
ちょうど30周年記念の作品展をしていました。
そこは、古い民家を利用した工房でした。
内部は一切、撮影禁止でしたので、外観だけですが、このような建物の中でいろいろな手づくりの作品が展示されていました。
とても美しい色の染物がありました。
型染のタペストリーのような形のものが多く展示されていました。
またここには草木染めに関する資料や書籍もたくさん保存されていて、学究的な雰囲気に満ちていました。
学んでいらっしゃる方はかなり高齢の奥様が多く、私のように何も知らない人間がふらっと入るようなところではなかったようです。
ちょっと堅苦しい雰囲気でしたので、私には場違いのように感じてしまいました。
美しいものを見たいと思っている程度で、染色には素人の私は居場所がないようで、仕方なくお庭をぶらぶらしていました。
すると、庭の一角に若い青年が立っていて、あれっと思ってみると、そばの穴倉に彼の作品がありました。
作品といっても、いわゆる染色とは大違いでした。
なんとなく興味をそそられて近づいてみました。
写真を撮っても大丈夫というので、その穴倉の作品を写しました。
自分で書いたという墨の文字の和紙が、たくさん掛けてありました。
黒く見えるのが文字なのです。
天井には染めた布が波打っていました。
それは、初めて見る世界でした。
とても素敵で、墨流しのような感じでした。
こういう着物が欲しいと、話してしまいました。
また私が中に入って天井を眺めているところも、青年に写してもらいました。
これはとてもユニークで面白かったですね。
なんでも岡本太郎賞を受賞した作品だそうです。
若い人の感性はいいなと思いました。
この青年は、こちらのご当主の息子さんで、染色家としては4代目の方だそうです。
こういう若い感覚の方が進出してくると、楽しくてみんなの刺激になるでしょうね。
爽やかな青年の作品に出会うことができて、遠くまで来た甲斐があったと思いました。
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この日の装い。
いただきものの大島紬です。
知らない場所に行く時や、初対面の方とお会いする時には、こういう地味な大島を着ることが多いですね。
帯は、ゆめこもんさんで購入した若向きのもの。
実物はもっと鮮やかな水色で、可愛らしいお花がたくさん並んでいる帯です。
着物や帯を選ぶときは、全身を堅苦しいもので固めないようにしています。
おばあさん着物であっても、どこかに可愛い部分があると、いいなと思っています。
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