2017年10月15日日曜日

サイエンスカフェ@UEC

電気通信大学と調布市が共同開催の「サイエンスカフェChofu」に参加してきました。


電通大は来年が創立100周年ということで、いろいろとイベントをしていて、その一環だそうです。


文系人間の私が「サイエンスカフェ」なるものに行ってみようと思ったのは、実はこちらの大学で9年ほど仕事をしていたからです。
そのころは100周年記念館というのはありませんでした。

ここには以前は古い公務員宿舎が建っていたのですが、そこを更地にして、きれいに建て替えました。
一階にはセブンイレブンも入っていて、これは学生には便利でしょうね。


さて今回の講演は、「ふわふわ さらさら オノマトペで誰にでも寄り添える人工感性知能へ」というタイトルでした。
お話されたのは、電通大の坂本真樹先生▼
情報理工学研究科人工知能先端研究センターの教授です。
人工知能学会で活躍されているそうです。
お洒落な40代のステキな先生でした。
テレビのバラエティ番組にもよく出演されているそうで、なんと、オスカープロモーションにも所属▼されています。

坂本先生はもとは文系の研究者だったそうですが、現在はオノマトペを利用した人工知能の研究をされています。

お話された内容を、私が理解した範囲で簡単にまとめてみますね。

【人工知能とは何か?】
人工的に作られた知能のこと。
ロボット=人工知能ではない。

【人工知能の発達】
人工知能という単語は、1950年代からあった。
その後、1960年代に第一次AIブームが起こり、チェス、将棋、囲碁などができる人工知能が生まれた。
1970年代にはブームが去ったが、1980年代からまた第二次ブームになった。
現在は第三次AIブームで、コンピュータ自身が自動的に学習できるようになった。

【人工知能はどれくらいお利口か?】
1.第一段階レベル 家電製品など
2.第二段階レベル おそうじロボットのルンバや、ゲームアプリなど
3.第三段階レベル スパムメールを自動的に判断してはじくことができるなど。
4.第4段階レベル 顔認識ができる。画像認識ができる。

【感性AIとは】
人工知能により、物体の認識、ガンの画像診断、音声対話、株の予測、自動運転などができるようになったが、人にしかできないこと(欲望、責任感、リーダーシップなど)ができるようになるには、感性(触覚など)をもつAIが必要。

【オノマトペとは】
擬音語(コンコンなど)と擬態語(のろのろなど)がある。
日本語には約4500のオノマトペがあると言われているが、他の国の言語にもあり、特にアフリカの言語はオノマトペが非常に多い。

【ブーバ・キキ効果】
ふわふわした形の絵と、とんがった形の絵を見ると、誰しもが、ふわふわがブーバで、とんがったほうがキキだと認識する。言語からの音の印象と、視覚の印象は一致することが多い。
これはどこの国でもほぼ共通している。
(左がキキ、右がブーバですね)

【オノマトペと人工知能の関係】
商品のネーミングや、パッケージを決めるときに、オノマトペを利用することがある。
医療で「痛い」を表す時に、利用できる。
「刺すような痛さ」「殴られたような痛さ」なども「ずきん」「がーん」などで分かりやすい。
それをデータ化しておくと、医師も患者も説明しやすくなる。

【オノマトペと感性の関係性】
アンケートをとる時に、オノマトペの評価システムを使うと、手間がかからずに評価できる。
たとえば「さらさら」というだけで、髪の毛、紙、水などの手触りが分かる。

【新しいオノマトペの作成】
オノマトペの文字列を並べて、オノマトペを掛け合わせて、新しいオノマトペを作り出すことができる。
たとえば、新しいグループの名前を決めるときなどに利用できる。

【今後の人工知能】
歌詞を人工的に作り出すことができる。
(「仮面女子」というアイドルグループの曲を作詞した。)
小説はストーリー性があるので、意外と難しい。

【人工知能が発達すると、人間の仕事が奪われるか?】
人工知能はそれ自身で発達するので、人工知能を作り出すプログラマーは廃業するかもしれない。
それ以外の職種は、単純労働やきつい労働は人工知能にさせて、もっと重要な仕事を人間がすればよい。

坂本先生の著書
「坂本真樹先生が教える 人工知能がほぼほぼわかる本 」


「愛される人がさらりと使っている! 女度を上げるオノマトペの法則」


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こんな感じの講演でした。

オノマトペのこと、人工知能のことはそれぞれは少しは理解できましたが、それと感性がどのように繋がるのかは、短い時間ではちゃんとは分かりませんでした。

坂本先生もお話されていましたが、人工知能はある一つのジャンルではとても性能がよいが、他のジャンルではまるで役に立たない、ということが気になりました。
私が思うに、たとえばチェスの人工知能は、将棋はできないでしょう。
両方が強くなるためには、人工知能は2台必要になります。

ところが人間は、特に女性は、いくつものことを同時並行的にこなす能力は長けていると思うのです。
たとえば台所で料理をしながら、洗濯機を廻し、そして子供が泣けば飛んで行ってあやし、ピンポンと宅配便がくれば玄関まで行って印鑑を押す。電話がかかってくればその対応もするし、常にいくつものことを同時に行っています。
こういうことは、人工知能が優秀になっても、なかなかできないのではないかしら。

坂本先生は男性が圧倒的なUECにいて、けっこう目立つ存在だと思いますが、タレント性もあるので、これからも活躍される方でしょう。

「サイエンスカフェ」というので、もう少しくだけた感じだと期待していましたが、やはり大学や市役所が企画するとなると、あまりリラックスはできないのでしょうかね。
普通の市民講座とあまり変わりはありませんでした。

参加費は、こちらのクッキー代として200円払いました。
コーヒーなどの飲み物は用意されていましたが、それだけで「サイエンスカフェ」と名乗るのは、ちょっと安直ではないかと感じましたね。


参加者は30名くらい。
そのうち女性は数名だったと思います。
やはり中高年の男性が多かったですね。
せっかく少人数の講演だったのですから、講義型ではなく、もう少し席の場所を考えるとか、工夫が必要だと思いました。

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この日の装い。
気温が15℃くらい、雨も予想されたので、シルジェリー着物にしました。
今シーズン初めての袷です。


帯は叔母の遺品の両面帯。

帯締めは、川越きもの散歩の皆様とご一緒した時、「紀尾井アートギャラリー」▼で購入したリサイクルの帯締めをしてみました。



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