私が小早川修先生の「謡音読会」に初めて出会ったのは、2018年2月、地元の公民館主催の能楽講座▼でした。
その時の内容は、「謡を普通に平らに読んで、物語の意味を学び、男女に分かれてシテとワキ役になって、その後に少しだけ謡を謡う」というものでした。
謡の資料の他に、地図や時代背景のお話もあり、とても興味深く学ぶことができました。
その後、その講座を受けた有志数名でグループを作り、小早川先生にご指導いただきました。
このグループは半年くらい続きましたが、会員の都合などで会の活動が難しくなった時、九段下にある生涯学習館でも同じ内容の講座をされているというので、私はそちらに参加することにしました。
こちらは月に1回の講座でした。
ここには2019年1月から1年間、通いました。
ところが参加人数も増えて、教室が狭く、身動きもままならないほどになりましたので、今年から国立能楽堂の大講義室という広い会場に移ったのでした。
チラシもこんなに素敵になりました。
会場も広いので、お友達を誘って下さいということでしたので、今回は着物友だちのKさんをお誘いして参加しました。
するとなんと会費が半額になるというおまけもありました。
(今後も新しく参加される方を募集しています)
今回は「胡蝶」でした。
これは観世信光という人の作品ですが、この人は「紅葉狩」「船弁慶」などの面白い能をたくさん作った人です。
胡蝶は蝶の一種ですが、先生の説明では「ギフチョウ」ではないかということでした。
(画像は、ウィキペディアからいただきました)
「胡蝶」は、特に込み入った話ではありません。
吉野の僧が京に来て、美しい梅を見ていると、女性が現れました。
自分は梅の花に縁のない蝶であり、僧にお経を読んでもらい、成仏したいと言います。
そして、僧が梅の花の下でお経を読んで寝ると、胡蝶の精霊が現れます。
精霊は梅の花と出会った喜びを表して舞い、明け方の空へ消えていきます。
というお話です。
謡は最後の部分だけを謡いました。
「四季折々の花盛り~」で始まり、
「霞に紛れて失せにけり」のところでした。
蝶の舞が、なんとなくお正月にふさわしい能のような感じがしました。
そしてこちらの会場では映像での学習もできるので、嬉しいですね。
また中国の戦国時代の思想家・荘子の「胡蝶の夢」についての説明もありました。
これは自分は夢の中で胡蝶になったが、それが現実なのか、あるいは人間であるのが夢なのか、夢と現実の区別がつかない、という有名な説話です。
蝶というのは自由に飛び回るので、古くから人間にとっては憧れの存在なのでしょうか。
最後に、能で、胡蝶が頭に乗せる天冠を見せていただきました。
とてもきれいな色がほどこされていました。
周囲はひらひらとしていて、上の部分が蝶の形になっています。
ここは取り外しができるので、能の内容によって、いろいろと替えることができるのだそうです。
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この日の装い。
お正月らしい着物にしようかと思いましたが、お天気が怪しいので、大島紬にしました。
迷彩模様です。
帯は、黄色の名古屋帯。
着る前は別の帯を考えていたのですが、どうも合わないので、とっさに締め直しました。
帯は締めてみないと、なかなか雰囲気がつかめないものですね。
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