今期の市民カレッジ「日本庭園」3回目のレポートです。
講座は市の施設で行われていますが、とにかく部屋が寒い。重ね着をしても冷えてしまってダメです。着物ならよいのですが、それでは外の暑さに耐えられません。
ということでブルブルと震えながら聞いていましたが、前に座っていたおばさんは扇子をパタパタするので、よけいに寒くてたまりませんでした。
こちらは市の花、サルスベリ。
今回は「庭師のお仕事」というお話でしたが、いろいろとユニークな動画も見せてもらいました。大きな石を、電動重機を使わず、てこなどを使う昔ながらのやり方で移動させる動画は面白かったです。城壁なども、こうやって運んだのかしら、と思いました。
実は私のいとこの息子は庭師です。脱サラをして、頑張っています。インスタグラムでお仕事の様子を見せてもらっています。
また三味線仲間にも、シルバーセンターで庭師の仕事をされている方がお二人もいらっしゃいます。
ということですが、今回の講義を聞いて、庭師の仕事はすごくレパートリーが広いと分かり、びっくりしました。
いわゆる庭木の手入れだけでなく、左官のような仕事もするし、空間デザインもするし、イベントの植栽の飾り付けなどもするし、ものすごく幅が広いのです。職人兼デザイナーといつた感じでしょうか。
ちょっとだけ庭師の歴史をたどってみると、庭師は最初は僧侶の仕事だったそうです。生け花も僧侶が分担していたことを思うと、なるほどと思われますね。
鎌倉時代には、夢窓疎石が天龍寺や西芳寺の庭園を作りました。
室町時代には善阿弥という河原者がいて、この人が足利8代将軍足利義政につかえ、相国寺、興福寺などの有名な庭園を作りました。
実は先日、室町時代の小説を読みましたが、その中にも善阿弥という人が登場していて驚きました。
江戸時代には、染井に伊藤伊兵衛という人がいて、この人は多くの植物や樹木の栽培・販売をしました。「ソメイヨシノ」もこの人が手掛けたようです。
その後、明治時代以降には有名な庭師もたくさん登場しましたが、私は重森三玲くらいしか知りませんでした。
こちらは重森三玲の東福寺の庭園です。もう10年以上前に行ったときの写真です。モダンで美しかったです。
現代は、庭師の中にも、設計だけをする造園家、ホテルの庭などを計画するランドスケープアーキテクト、住宅メーカーに所属しているエクステリアデザイナー、ガーデンデザイナー、グリーンデザイナーなどと分類されるそうです。
でも私は昔ながらの「植木屋さん」という言葉が好きですね。
庭師の仕事の中で、特に造園に関して分類すると、石を扱う仕事、水を扱う仕事、樹木を保護する仕事、塀や竹垣を作る仕事、など広範な仕事があるのでびっくりしました。
また高いところに上ったり、重いものを運んだり、暑い日も寒い日も大変なお仕事だと思います。
それでも自分で手掛けた植物などが育っていくのは、楽しいことだろうと思います。センスのよさも試されますね。
今まで庭園巡りをしても、その風景だけを楽しんでいましたが、今回の話を聞いて、それを作る人、点検や管理をする人がいてこそ、美しい庭園が保たれるのだと、理解を新たにしました。
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「一日一句」
ドア開く セミの脱け殻 足元に
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