半蔵門にある国立劇場の建替えに伴い、最後の歌舞伎公演となる「妹背山婦女庭訓 第二部」を見てきました。
この出し物は「大化の改新」を背景とした時代物ですが、元は人形浄瑠璃として初演されたもので、芝居の端々に浄瑠璃の影響が見られました。
いつもはイヤホンガイドを借りるのですが、今回はガイドなしでしたので、どこまで芝居の内容が理解できたか分かりませんが、大体の話はこんな感じかな。
当時の豪族であった蘇我入鹿(いるか)を倒すために、藤原鎌足とその息子の活躍を描いたお話でしょう。
序幕は求女(男性)と入鹿の妹である橘姫、酒屋の娘お三輪の三角関係の踊り「道行恋苧環(おだまき)」でした。二人の女形が美しく、特にお三輪の情熱あふれる姿には引き込まれました。この役は菊之助さんが演じたのですが、嫉妬に狂った女性の姿がとても良かったと思いました。苧環という糸巻きのような小物の扱いも印象的でしたね。
最後に入鹿は倒されて、大円団。
私が見た舞台では、菊五郎さんが体調不良で休演されましたが、その分、若手の梅枝さんや米吉さんが頑張っているように思いました。世代交代がうまく進むと良いですね。
国立劇場は1966年に建てられました。私が高校生の頃です。高度成長期の頃でしたね。
老朽化のために建て替えるとのことですが、客席もトイレなどの設備もそれほど古くはないような感じがしたので、なんだかもったいない感じがしました。舞台の設備が古くなっているのかしら。この劇場は安い3階席でも見やすいので、私は好きだったので、なんだか残念ですね。
建て替えの完成は2029年ということですが、その頃は80歳になっている勘定です。
この日はほぼ満席でしたが、お客さんは老人ばかり。お昼から夕方までの舞台では、見る人も限られてしまうのでしょうね。
久しぶりに着物を着てみた、というような老婦人もかなり見受けました。おしゃれする気持ちは大切ですね。
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この日の装い。
最近は暑い日が収まったかと思うと急に寒くなったりで、何を着てよいのか悩みます。
チョイスしたのは、紬の着物。
この日は自作の帯締めは、出番なしでした。
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「一日一句」
劇場よ 糸巻きくるり さようなら
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