ここは若者の街・新宿駅のすぐ近くにありますが、そのビルの地下にあるのが、「柿傳ギャラリー」▼。
ここはノーベル賞作家・川端康成が「大人の道草」と名付けたギャラリーです。
ここで、京都の西陣の工房で染色の創作をしている玉村咏先生▼の展覧会が開かれているので、昨年京都でお会いして▼以来の再会のため、行ってきました。
玉村先生は染色の世界に入って40年だそうです。
今回は「京色の雅と粋」をテーマにした作品の展示会でした。
福井ご出身の玉村先生ですが、北陸生まれという凛とした下地に京都の伝統を加えながら、オリジナルに富んだ作品が多く、独自のアイディアに脱帽することがしばしばです。
今回は帯や着物、インテリアなどの作品の発表でした。
帯はすべて違う素材を染められたそうですが、どれもいいな~。
写真で、色の鮮やかさをお伝えできないのが残念です。
真ん中の白の着物は裾から豪華な模様になっていて、ゴージャスでした。
1点ずつ、その手法を教えていただけましたが、昔ながらの模様にちょっと手をくわえるだけで、まるで違って現代的なセンスが生まれることがあるのですね。
「へ~」と感心するだけでしたが、直接、お話を伺えると、着物や帯に対する愛着も増してきますね。
私が特に気に入ったのは、下の写真の真ん中にある、みかん色と水色の縦の線が入った帯でした。とても鮮やか。
単なるストライプのようですが、先生によると、これはぼかし具合の手法がすごく難しいのだそうです。グラデーションの美しさですね。
最近、鮮やかな色に目覚めた私好みの帯でした。
右下は椿の帯。黒と茶色の組み合わせがいいですね。
これは去年、京都の工房にお邪魔した時に、職人さんがこの染料を使っていた記憶があります。あの帯かしら。
左下はうろこ模様がちりばめられていました。うろこ模様は元気の源であり、縁起がよいそうです。
パソコンだと、本来のきれいな色がちゃんと出せなくて、ほんとに残念。
でもどの作品も、「女性をきれいに見せたい」というお気持ちで作られたのではないかしらと、思いました。
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実は昨日はとても緊張して出かけました。
というのも、昨年、「清水の舞台から飛び降りる」気持ちで、誂えていただいた「白玉着物」▼を着たところを、先生にお見せに行ったからなのです。
普段の着物のときは適当にチャッチャッと着付けていますが、今回は、着付けに時間がかかりました。変なところにしわがないか、帯も合っているだろうか、とか緊張していました。
衣紋はきれいに抜けたかしら?
帯山はどうかしら?
帯揚げはどうかしらと、自己流なので、気になりました。
素敵な着物なので、気合いが入りますね。
でも、会場で玉村先生やスタッフの方から「似合うよ」と言われて、ホッとしました。
せっかくの着物なのに、私が着て台無しにしてしまったら、失礼ですものね。
恥ずかしながら、先生の作品の前で。
袂と膝のあたりに白玉が並んでいます。
少しは女っぷりが上がったでしょうか?
玉村先生と。
ちょっと怖い顔になってしまいましたが、とても気さくな先生です。
こちらの鮮やかなブルーの洋服はご自分で縫われたと伺いました。
こちらは会場でお手伝いをされていた、とてもお美しい先生のお友達。
着姿が美しいので、着物の先生だろうと思っていましたが、お話を伺うと、なんと着物を着始めて3年ほどなんだそうです。(私と同じだわ!)
水玉の着物をとても素敵に着ていらっしゃいました。帯をぐっと下げた着付けには、憧れますね。
会場では源氏物語研究家の有田祐子さんにもお会いしたのですが、お写真を撮り忘れて残念でした。
そもそも、昨年の春、玉村先生と有田さんのコラボの展示会▼を千鳥が淵まで見に行ったのが、この着物との出会いなのでした。
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着物以外にも、和小物やインテリア作品がありましたが、どれも「京色に会う」というテーマにぴったり。
カラフルな風呂敷。
中に物を包んだ時の、四隅の色の出方を研究されたのだと思いますね。
風炉先屏風。
今年の干支「巳年」にちなんだデザインだそうです。
袱紗のいろいろ。
他にも掛け軸や、短冊形のインテリアなどありましたが、どれも玉村先生らしい作品名がついていました。
たとえば「游」という字の入った作品名。「游」は「遊ぶ」と同じ意味だそうですが、さんずいがお好きなので、こちらを使っているとか。
また「宙華」という題名の作品もありました。イメージが膨らんできますね。
漢字ひとつにも気持ちを込めていらっしゃるのですね。
きっと辞書を引きながら作品名を考えるのがお好きなのでは、とも思いました。
玉村咏先生の個展は4月9日まで柿傳ギャラリーで開催されています。
春めいた鮮やかな色に出会いたい方は、是非どうぞ。
8 件のコメント:
としちゃんさんは
いつも、何をお召しでも着姿がきれいだなって思うのですが
でもやっぱりこの白玉着物は
一段と美しいです(*^_^*)
衣紋の抜け方、お太鼓の大きさ、帯の位置
帯揚げと帯締の色、どれも美しいですね♪
白玉真珠模様が美しくてかわいらしくて、
だからとしちゃんさんにぴったりなんだと思います♡
まぁ、siroajisaiさん、それは褒めすぎですよ。
この着物のおかげです。
というか、この着物を着ると、美しく着ないとダメだと思うようになりますね。姿勢も自然とよくなりますもの。
立ち姿って着物を着るときには特に大切ですよね。
でも顔が不細工だわ~。
そうでしたね、昨年10月のとしちゃんブログに戻ってみました。私、自分のブログのコメント欄に白着物と打ってしまいましたが、そう白玉着物でしたね、ここでお詫びしておきます。
なんて上品で素敵な立ち姿♪ 最近はご自分でも自信があるのではありませんか?
以前はとしちゃん、お顔を出さなかったのにこの頃は堂々と自信に満ちているわよねというのが、私と私の友S米さんのもっぱらの話題ですよ。先生のほかにお見せする人を是非にみつけて欲しいわ。余計なお世話ですけど・(汗)
追伸
月刊アレコレに、広島でのとしちゃんさんが
いらっしゃいましたよ
やっぱり笑顔がすてきです(^_-)-☆
着付け免許を持っているひょっこりさん、
この着物を着るのは3回目なんですけれど、
着るたびに身が引き締まるというか、汚さないように気をつけますね。
S米さんとそんな噂話をしているの?
顔は出したくないんですけどね。
でも一応、仕事も終えたので、自由にしてもいいかなという心境かしら。
開き直っていますよ。
siroajisaiさま、私も先ほどアレコレが届いたので見ました。
あの時はものすごい大雨で、小さな傘をさして駅から10分ほど歩いてようやく会場のカフェに着いたと思ったら、すぐに「はい、写真を撮りますよ」と言われて、毛糸の帽子のまんまだったんですよ。
着物の裾のほうなど、雨でぐじゃぐじゃ状態でしたよ。
それが掲載されたなんて、ほんと恥ずかしいわ。ボツにしてくれたら良かったんですけど。
まぁ、なんて美しい着物でしょう~。
上品で洗練されていて、きっと道行く人を振り向かせたことでしょうね。
作品からは、先生のお姿はイメージできませんね。でも、繊細な感性の持ち主なのでしょう。
どの作品も素敵です。
販売はしているのかしら。お高いんでしょうね。
マサさん、素敵な着物でしょ。
まさに「馬子にも衣装」ですよね。
私はほんとうの着物の良し悪しは
まだ全然分からなんですけれど、
これは着ているとそれだけで幸せな気分に
なれる着物ですね。
この先生のシリーズの中では、一番お安い
着物ですけど、私にしてはすごい高かったですよ。
でも退職記念にもなったら、それもいいかなと。
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