2015年2月27日金曜日

「ぼんち」

レンタルビデオ店のカードを更新すると、DVDが1本無料になるというので、何にしよかとちょっと迷いましたが、市川雷蔵さんの「ぼんち」を選びました。


1960年(昭和35年)、山崎豊子さんの原作、市川昆監督の作品です。

内容は船場の足袋問屋の若旦那のお話。

時代は昭和の初めから戦争直後まで。
「ぼんち」と呼ばれた一人の男の半生を描いています。

もっといい加減な男かと思っていましたが、愛人を何人抱えても、ちゃんとそれぞれお世話をしているし、商売の研究も熱心だし、それほどちゃらんぽらんではない感じでした。

すごいのは彼のお母さんとおばあさん。
昔ながらの船場の家風を守り抜き、あれこれと口出しする様子は、すさまじいですね。

妻や愛人たちの配役が見事でした。
中村玉緒、若尾文子、草笛光子、京マチ子、それに越路吹雪まで登場したのには驚きました。

圧巻は、愛人たちがみんなで入浴しているシーン。
戦争なんてなんのその、という感じでのびのびとお湯を浴びているところは、いやらしさは感じませんでしたね。

戦災のシーンには、ぞっとさせられました。
大阪もこんなに戦争の被害があったとは!

それにしても、どんな役をやっても雷蔵さんはかっこいい。
20代の時の作品だそうですが、年寄役も素敵。
だらしのないぼんぼん役でも、背中を丸めて歩くおじいさん役でも、どちらもこなしています。

時代劇の雷蔵さんはもちろんすてきだけど、現代劇も良いですね。






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