今回の「源氏物語を楽しむ会」は、ちょっとした宗教談義となりました。
というのも、六条院に住む光源氏が、元彼女の部屋を訪ねた場面で、「尼になっていた」空蝉が描かれていました。
尼ということは出家したわけですが、さて、当時の仏教は何教だったのかという素朴な疑問が湧きました。もちろん浄土真宗でもなく、浄土教でもない。禅宗でもないし、真言宗なのか、天台宗なのか、ちょっと頭が混乱してしまいました。
みんなで平安時代当時の仏教を考えてみることにしました。
当時の仏教は浄土思想で、阿弥陀仏に極楽浄土を願うという思想のようでした。
また前世とか宿世などという用語もよく出てきますが、現世よりも亡くなった後のことのほうが重要だったのでしょうか。
歴史の教科書で習ったと思いますが、日本に仏教が百済からが伝来したのは6世紀中頃、538年です。
その後、奈良時代には6つの宗派の仏教があり、南都六宗といわれたそうです。この頃は出家した僧が仏教の教えを研究していたようです。つまり当時の仏教は、一握りの選ばれた人が厳しい戒律を守って修業するものだったようです。
9世紀頃からは、最澄が伝えた天台宗、空海が伝えた真言宗が仏教の担い手となりました。天台宗は延暦寺、真言宗は金剛峯寺と東寺を中心に栄えました。
その後、平安時代になると、仏教は個人の私的満足のための信仰となりました。平安貴族たちは浄土教の念仏と、安産や病気のための祈祷が多くなったようです。
このころは仏教とは別に、陰陽師とか加持祈祷をする僧とか、神社の影響もいろいろあったと思います。
現在、日本の仏教は13宗派あると言われています。
法相宗、華厳宗、律宗、天台宗、真言宗、融通念仏宗、浄土宗、浄土真宗、時宗、臨済宗、曹洞宗、黄檗宗、日蓮宗だそうです。
仏教のことはよくわからないのですが、平安時代の文学である源氏物語を深く理解するためには、当時の宗教を知る必要があると痛感しました。
と、ちょっと硬い話が続きましたが、この日はみなさん、素敵な和服姿でした。
写真では、実際の色がうまく出ないのですが、お二人共、秋らしい装いでした。
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