2016年1月28日木曜日

叔母の残したもの

私の父は大正生まれで、7人か8人兄弟(ほとんど年子)の三男坊でしたが、大人になるまで成長したのは5人でした。
そのうち、男が4人で、女は妹が一人だけでした。

こちらの写真は今から75年ほど前でしょうか、戦前の昭和10年代だと思います。
左から二人目の丸メガネをかけた学生服が私の父でした。

もう全員、あの世に行ってしまいました。


そして右端に座っている矢羽の着物姿の女性が、私の叔母です。
はたちくらいでしょうか、髪の毛を巻き上げて、きれいなお嬢様ですね。

その叔母の娘、つまり私にとってのいとこから電話があり、叔母が残した着物や帯があるので、よかったら使ってほしいとのこと。

実は一昨年もそのようなことがあり、たくさんの着物や帯をいただいてきました。
その時のブログ▼です。

今回は、家の整理をして、最終的な処分をしたいということでした。
それならと、古い布を利用して帯を作るのが好きなSさんをお誘いして、一緒に出かけてきました。

挨拶もそこそこに、叔母の残していった着物や帯を畳の上に広げていきました。


大正生まれの叔母は、もともと着道楽だったのでしょう、そして和裁や手芸の趣味があり、自分で帯や小物(腰ひも、ねんねこ、巾着など)を山のように作って残していました。

おまけに部屋がかなり広く保管場所があり、引っ越しをしたことがないので、いろんなものが茶箱や行李、桐の箪笥にぎっしりと詰まっていました。

いとこと私、そしてSさんの3人でおしゃべりをしながら、まだ着物として着られるもの、リメイク用に使うもの、ちょっと保留のもの、孫に着せたいもの、フリマに出すもの、処分するものなどに分けていきましたが、やってもやっても終わらないほどたくさんの布がありました。

なんと、上の古い写真の矢羽の振袖を作り直した半纏まで残っていました。
叔母がこんなに和裁が好きだったとは知りませんでした。
作りかけの帯や、未使用の裏地もたくさん残っていて、なんとか利用できればと思いました。

お昼や3時のおやつの休憩をはさみ、長時間がんばりましたが、なかなか終わらないので、今回はとりあえず打ち切りとしました。

私が頂いていく着物、帯、コートなどはこちらのバッグにギューギューに詰めました。


どれも寸法がドンピシャなので、何も直さずに着られます。

この日は、前回いただいた黒地に水色とピンクの小さな模様が入ったお召を着て行ったのですが、なんとその着物を着た叔母の写真が見つかり、びっくり。
たぶん、85歳くらいの頃の写真ではないでしょうか。


白い半襟に黒の着物、茶色の帯という素敵な組み合わせです。
白髪によく似合っていると思いました。

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こちらは私の装い。

同じ黒い着物に、紅花で染めたピンクの半襟。
叔母が85歳までこの着物を着たというと、私もあと20年間は着られるのかな。


帯は、デパートの催事場で見つけた淡いベージュピンクの花織風のもの。

着物も帯も、どちらもちょっと古い昭和時代のモノなので、帯揚げだけは現代風なものにしてみました。
全身、古いものでまとめるよりも、どこかに新しいものを組み合わせるのがよいかもしれませんね。

ストライプとドットが左右半分ずつの柄です。
京都のHARUさん▼の人気商品です。

今度、この着物を着るときは、叔母のように茶系の帯を締めてみようかしらと思いました。






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