前回、演舞場で見た歌舞伎は「ワンピース」▼だったので、その時の迫力に比べると、いわゆる普通の歌舞伎でしたね。
普通というのは、うまく言葉で説明できないのですが、眠くなってしまったところもありました。
それでもせりが大きく上下しての舞台転換や、殺陣の場面は楽しめました。
1月3日が初日だったので、この日は、昼夜合わせてまだ5回目の公演でした。
そのせいでもないでしょうが、なんとなく役者さん同士のかみ合わせがイマイチと感じたのは私だけかしら?
まだご覧になっていらっしゃらない方もいらっしゃるので、あまり詳しいことは書きませんが、ちょっとした感想だけ。
最初の出し物の「車引き」は「菅原伝授手習鑑」の一部ですが、三つ子の兄弟の話。
いつもは女形で美しい春猿さんが、その三つ子の一人の役をしていたので、なんだかいつもと違った感じでした。
やはりこの人には女形を演じてほしいと思いますね。
2番目はおなじみ「白浪五人男」のうちの弁天小僧菊之助のお話。
弁天と日本駄右江衛門が二人で呉服屋に行き、今で言うなら詐欺師のようなことをやらかします。
花嫁衣装用の反物を選ぶ場面から始まるのですが、呉服屋の番頭役が軽妙で楽しめる脇役でした。
海老蔵さんは初めは美しいお嬢様役なのに、「しらざあ言ってきかせやしょう」と片肌を脱いで、あぐらをかいて見得を切るところはぴったりだと思いました。
七五調の台詞はとてもうまいのに、普通の会話となると、そのへんのお兄ちゃんのようになってしまうのは、まだ年が若いからでしょうか。
最後の「七つ面」は、江戸中期に二世市川團十郎が演じたというもの。「面」というのはお面のことで、お面をかぶりながら踊ります。
この「七つ面」は、アニメ「名探偵コナン」ともコンビを組んで、テレビで放送されるようですよ。
海老蔵さんが本人役で登場して、アニメ声優に挑戦するというのが、目玉のようです。
詳しくはこちら▼をどうぞ。
一番最後に、ファンサービスというか、海老蔵さんが得意の「にらみ」をきかせたところは、大きな拍手が湧いていました。
海老蔵ファンにはたまらないだろうな、と思いました。
お正月なので、さすがに着物姿の人がいつもよりは多くいらっしゃっていました。
ご夫婦やお友達同士での和服も目にしました。
同じトーンで揃っていると、いいですね。
ちょっと気になることがありました。
ものすごく豪華な訪問着に、ものすごく格調高い帯を締めているのに、そのままで何も羽織らずに歩く中年女性の姿は、この季節は考え物ですね。
成人式の女の子ならいざ知らず、お尻が大きくなった女性は、むき出しで歩くのはみっともないわ。
いくら暖かいお正月とはいえ、ショールでも羽織って歩いたほうが、お尻が小さく見えて優雅になると思いますが。
ロビーには新春らしく、白浪五人男の大きな羽子板が飾られていました。
演舞場の後は、松屋デパート別館で開かれていた「壱の蔵」の展示会へ。
明治や大正のころの豪華な打掛にうっとり。
簪や筥迫なども精巧に作られていて、昔の職人さんの技を感じました。
以前、「着物のカラー診断」をしていただいたSさんが、現在はこちらのお店にお勤めになっていて、会場の展示物を案内してくださいました。
やはり知っている方に案内していただくと、一人で眺めているよりもよく分かりますね。
*****
この日の装い。
ある呉服屋さんで、強引に買わせられてしまった結城紬です。
「こいういう濃い色は似合わない」と言ったのですが、白のぼかしがはいっていて、おまけにスワトー刺繍入りというので、少しは明るい感じになると説得されて仕方なく購入。
でもあまり気に入らなかったのです。
それで顔との境に、先生に教えていただきながら自分で紅花染をした半襟▼を付けてみました。
濃い色の着物でも、ピンクの半襟を差し込んだので、少しは顔写りが良くなったでしょうか。
帯は東三季で、誂えたもの。
ちらりと見える帯留は、ビーズ織り。
昨年12月に、八王子で夏子先生に教えていただいたもの▼です。
シワシワの手ですいません!
2 件のコメント:
とても似合っていらっしゃいますよ!
というか、ピンク色の半衿と、着物のぼかしのところがちょうどリンクして
とてもおしゃれです♡
半衿がとてもいいんですね♡♡
地味な色が合うのはお若い証拠だと思います
でも、たまに、お店の人のチョイスを受け入れると
自分について新しい世界が開けたりすることもありますよね
といっても、自分で気に入らなければどうしようもないですけれど・・
本年もよろしくお願いいたします
siroajisaiさん、お久しぶりです。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
半襟、お褒めいただきありがとうございます。
やはり自然の素材からできているものは、色の具合が良いですね。
着物は(洋服も同じかもしれませんが)、他人様が見た方が、正しい評価がされることも
ありますね。自分だったら絶対にしない組み合わせを提案されると、ほー、そうか!
と思うこともあります。
自分の好みを分かっていただけるようなお店の人と出会えたら、嬉しいですよね。
でもお店の人は買ってもらうためには本音を隠すかもしれないし、
こちらはお値段も気になるので、なかなか難しいものです。
コメントを投稿