目指すは渉成園(しょうせいえん)。
渉成園は「池泉回遊式」という見事な庭園ですが、実はここは東本願寺の別邸なのです。
教如上人という人が、徳川家康から土地を寄進され、東本願寺ができました。
その後、三代将軍の家光の時に、東本願寺の東側の土地を寄進されました。
そして、ここを「渉成園」と名付けました。
案内書によれば、この場所は西本願寺(豊臣方の保護)と豊国寺(豊臣方の聖地)を分断する場所にあるという意味もあるのだとか。
たしかに地図で見ると、東本願寺や渉成園の場所は、そのような場所にありますね。
庭の周囲には枳殻(からたち)の生け垣が作られたので、ここは別名「枳殻邸(きこくてい)」と呼ばれています。
今でも、生け垣には、からたちのとげがたくさん生えていました。
渉成園は、源氏物語の主人公・光源氏のモデルとも言われる源融の供養塔があるところです。
能の「融」には、源融が名月のもと、河原院で舞う場面があります。
この塔は九重の石塔で、鎌倉時代中期に作られたと言われています。
写真の左側に見えるのが、その塔です。
離れているので小さく見えますが、実物はかなり大きな塔です。
園内には美しい池がありますが、その水は、琵琶湖から引かれた水です。
実は東本願寺は3度も焼失していて、境内の防火が重大な問題となっていました。
そのため、琵琶湖疎水を東本願寺まで引いて、防火用水としました。
下の写真にも、東本願寺や渉成園の文字が見えますね。
このことは、先月、琵琶湖疎水を見学しました▼が、そこにも登場した田辺博士という方が、東本願寺まで水を引いたということです。
この工事は明治30年には完成したそうです。
侵雪橋(しんせつきょう)という名前の木造の橋。
橋の上に立ってみました。
なんとなく優雅な気分になりました。
他にも古風なお茶室がいくつもあり、建物を眺めているだけで心地よい気分になれるところです。
ここは多くの著名人が訪れた場所です。
徳川慶喜はここが気に入り、何度も訪れたそうです
また明治維新後は日本人だけでなく、清、イタリア、ロシアの領事も訪れたとか。
戦後もヘレン・ケラーが来訪されたそうです。
多くの人を魅了させたお庭だったのですね。
四季折々の花も咲いています。
睡蓮。
アジサイ。
桜も紅葉も美しいところです。
渉成園はそれほど有名な観光地ではありませんが、心和むところでした。
(この項、続きます)
2 件のコメント:
日帰り京都旅行とは贅沢ですね。渉成園が目的ですか?
すてきなお庭ですね。京都はまだまだ知らないところがたくさんあります。
来月祇園祭にかけて、着付けの仲間に昨年から誘われていて行くことに
なっていますが、この暑い京都でどこに行こうかと迷っているところです。
ほとんどの人は涼しい貴船に行くようですが・・何かいいアイデアありますか?
カンカン、祇園祭にいらっしゃるとは贅沢ですね。
私は祭りなどの混んだときは、避けています。
それと暑い時には外歩きは無理なので、屋根のあるところにしています。
鉄道博物館は楽しかったですよ。水族館もありますね。
でもそれでは京都らしくありませんね(笑)。
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