三味線の弾き方に、「スクイ」と「ハジキ」という技法があります。
「スクイ」は、糸を撥で下からちょっとすくうもの、
「ハジキ」は、糸を弾かないで、指先ではじくものです。
これらは三味線の音色にリズム感や躍動感の効果をもたらすもので、うまくできるととてもかっこいいものなのです。
簡単そうに見えますが、やってみると、なかなか難しい技法です。
私などは、いつも先生から「スクイをもっときちんとすくって」と言われています。
つい、ちょこっと、すくってしまいがちになります。
ところで「スク☆ハジ」というお二人の三味線ユニットグループがいらっしゃいます。
以前から、ユーチューブでその演奏を見ていて、かっこいいなと思っていました。
お名前のとおり、スクイやハジキを多用する演奏をされていました。
いつかは生で聞いてみたいものだと思っていたところ、「お江戸日本橋亭」▼でのライブがあるということを知り、さっそくチケットを予約しました。
嬉しいことに、今回は「鷺娘」を演奏されるとのこと。
「鷺娘」は玉三郎などの舞踊曲としても有名ですが、華麗で素敵な曲です。
そして私も今度の夏のゆかた会に演奏することになっていたので、是非とも聞いてみたかったのでした。
会場に到着。
日本橋三越に近いところにあります。
ここは庶民的な演芸場という感じで、リラックスできるところです。
演奏する舞台の前にはゴザが敷かれていて、座布団が置いてありました。
いかにもかぶりつき、という感じでした。
まずはお二人の「君が代松竹梅」で始まりました。
その後は、「松の緑」や「梅の栄」など松竹梅にちなんだ曲の合方メドレーでした。
ちなみに「合方」というのは、唄がなくて、三味線の演奏だけのところです。
三味線の聞かせどころでもあります。
お二人の息がよく合っていて、本手と替え手のリズム溢れる演奏が小気味よかったです。
その後は、唄の杵屋勝彦さんが登場して、一緒に「鞍馬山」と「鷺娘」をご披露されました。
演奏はもちろん素敵でしたが、それ以上に勝彦さんのおしゃべりが楽しくて、歌舞伎役者さんの裏話など、大いに笑わせていただきました。
とくに曲の背景などをきちんと意識して、演奏したり踊ったりするのが大切ということをおっしゃっていたのが印象的でした。
この方は、古いものを集めるのが趣味だそうで、江戸時代や大正時代の教本で唄っていらっしゃいました。
長時間にわたる演奏とおしゃべりで、お客様は大満足されたことでしょう。
姐御のような雰囲気のお二人、生のほうがずっとかっこよかったですね。
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実は私の「鷺娘」は幻になりました。
諸事情により、浴衣会は「越後獅子」で参加することになりそうです。
「スク☆ハジ」のお二人の演奏も、5月には越後獅子をされるようなので、それも聞いてみたいですね。
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