2020年11月30日月曜日

旧多摩聖蹟記念館開館90周年記念展

京王線の聖蹟桜ヶ丘駅近くにある「都立桜ヶ丘公園」の中には、「旧多摩聖蹟記念館」があります。


先日のブログ▼にも書きましたが、このあたりは明治天皇がたびたび訪れた場所で、それを記念して田中光顕(みつあき)という人が、立派な記念館を建てたのでした。

この田中という人は、元は土佐藩の家臣であり、宮内大臣を務めたこともあり、明治天皇の顕彰運動に尽力した人だそうです。ここ以外にも、高知県の青山文庫や、茨城県大洗の常陽明治記念館を建てたそうです。

外観はヨーロッパ風の建物でした。オーストリアとドイツの建築の影響があるそうです。鮮やかな黄色が何といっても目を引きますね。


丸いケーキを三段、積み重ねたようにも見えます。

ここは昭和5年(190年)に開館されましたが、大松山の頂上に資材を運び込むのだけでも大変だっただろうと想像します。工事中の様子を描いた絵画も展示されていました。

その後、昭和61年に、多摩市の指定有形文化財になったそうです。つまり以前は明治天皇行幸を記念する建物でしたが、現在では桜ヶ丘公園の中にある憩いの場、となっています。

海外にいるような雰囲気でした。素晴らしい文化財ですね。


昭和5年11月9日に開館されたので、ちょうど開館90周年です。


ちょっとレトロに加工してみました。

90周年の展示会が開催されていました。


圧倒されたのは、こちらの明治天皇の像です。30歳当時の姿だそうですが、とても立派でした。実物は撮影禁止なので、これは記念の絵葉書を写したものです。この方が、ここでウサギを追いかけたというのは、面白いですね。


記念館の周囲は、今でもこのように草木が茂ったところです。


記念館の庭には五賢堂という建物がありました。ここには、明治天皇を中心として、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允、岩倉具視、三条実美、の五賢人の胸像が並べられているそうです。 

田中が土佐藩の日知だったためか、坂本龍馬の肖像もありました。その絵画を見ていたら、時代が150年くらいタイムスリップしたような気分になりました。

記念館の後は山を下り、公園の西口の方へ行きました。

ここはメタセコイアの木がきれいに紅葉していました。


素晴らしい風景でした。

家からほんの少し足を伸ばしただけで、多摩丘陵の自然に触れることができました。また100年以上前の歴史にも触れることができ、貴重な散策でした。

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「一日一句」

多摩にあり明治の遺産冬景色






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