2020年8月24日月曜日

「愛の不時着」を見て

最初にお断りしておきますが、私は普段はテレビドラマを見ることはめったになく、また韓国ドラマも今まで一度も見たことがありません。かの有名な「冬ソナ」にもまるで縁もありませんでした。

そんなおばさんが、評判の「愛の不時着」について、ブログで感想を書くなんて、まことにおこがましいことだと思うのですが、そのあたりを割り引いて読んでいただければ、助かります。

まず「愛の不時着」は2019年12月から2020年2月までにかけて、韓国で放映されたドラマです。全部で16話ありました。

ストーリーは簡単にいうと、北朝鮮の兵士と南朝鮮の大富豪の娘とのラブロマンスです。現代版、「ロミオとジュリエット」とでも言えるでしょうか。

メインはラブロマンスですが、それに絡んでくる人たち(北朝鮮の兵士や村の人たち、主人公のそれぞれの親たち、サブの謎の青年や婚約者、悪者たち)などなどが次々に登場して、話は広がり、そして昔の子供時代の話や、昔の出会いなど、時差もあちこち移動して、あれこれてんこ盛りに場面が展開します。

ハチャメチャにマンガチックな場面や、シリアスな場面など、見る人を飽きさせないようにうまく作られているドラマだと思いました。

主人公のヒロインやヒーローを初め、演じる人たちはもちろん南の俳優たちですが、北朝鮮の兵士、村の人々なども、当然、南の俳優さんが演じていますが、うまいものです。

そして北の人たちの生活の場面がすごく懐かしく感じられ、ちょうど昭和30年代の日本の生活を思い起こすような風景が現れます。ちゃぶ台を囲んでみんなで座り、お芋やトウモロコシを食べる場面など、日本と同じだなと思いました。

ヒロインのユンセリ(役名)は、最初は高慢ちきでワガママなお嬢様ですが、死に直面した素顔や、泣きっ面も可愛らしく、スタイルも素晴らしい人でした。

ヒーローのリ・ジョンヒョク(役名)は、北の軍服姿の時の方がかっこよかったかな。ばーんと広い肩が素敵でしたね。南へ来てからは、スマートな服装やヘアスタイルに変身しましたが、ちょっとなんだか薄っぺらになって、残念。

そして注目したのは、北の部下の兵士たちです。最初はステレオタイプの教条主義の人間ばかりで、誰が誰だか見分けがつきませんでしたが、だんだんと4人の個性が出てきて、憎めないタイプになりました。

また北の村のおばさんたちの面白かったこと。それぞれが権威に流されたり、悪口を言っていても、親切で助け合い精神のあるある人たちだというのは、ドラマだとは言え、気分がよくなりました。

彼らの親の世代の役者さんたちも、それぞれ面白かったですが、リ・ジョンヒョクの父親は既視感がありました。どこかでお会いした人のように思えました。

このドラマは恋愛ドラマではありますが、隠されたテーマは「南北統一」ですね。愛する人たちが38度線を境に引き離されてしまう。なんとしても会って一緒にいたいのに!

彼らは結局、永世中立国であるスイスという場所を選んだのですが、朝鮮半島では愛は完結しないのでしょうか。

そして「家族」というのも、もう一つのテーマでしょうね。日本以上に、親子や兄弟の結びつきを大事にする国なのだと思いました。

「愛の不時着」は、非常に現実離れしたドラマであり、偶然が続くありえないストーリーでしょうけれど、愛する人と一緒にいたい、という気持ちがストレートに伝わってくるようでした。

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私が以前、働いていた大学には、北からやってきた大学院生や、南から来た研究生など、何人かの朝鮮民族の人がいました。それぞれに個性があり、「韓国人は○○だ」とか「朝鮮人は○○だ」と決めつけるようなものではないと思っています。

また、今から35年前、カナダで会った韓国人女性が「チヂミ」を手作りしてくれて、世の中でこんなにおいしい食べ物はない、と感激したことも思い出しました。

その後、ソウルには娘と一緒に2回遊びに行きました。垢すりが流行っていたころです。

おとぎ話のようなドラマを見て、あれこれと昔のことを思い出しました。

この韓国ドラマを教えてくれた若い友達に感謝します。

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「一日一句」

ドラマ見て私も飛びたい秋の空




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