2022年3月13日日曜日

親子競演@国立劇場「近江源氏先陣館」

先日、国立劇場で鑑賞した歌舞伎「近江源氏先陣館 盛綱陣屋」では、二組の親子競演があり、さすがに血は争えない世界だと思いました。

このお話は、徳川方が豊臣方を滅ぼした「大坂の陣」が元になっています。その争いでは敵味方になった真田信之と幸村の兄弟ですが、歌舞伎では鎌倉時代に設定して、佐々木盛綱、高綱に置き換えています。盛綱は北条時政側、高綱は源頼家側の武将として登場します。実は最近、真田一族の話を読んでいたので、このお話に興味が湧いたのです。

そして歌舞伎では盛綱の息子が、父親である高綱の首実検の場面を目撃してしまうというお話です。

その盛綱役を尾上菊之助(菊五郎と富司純子の息子)が演じて、盛綱の甥に当たる子役を菊之助の長男が演じたのでした。この長男の丑之助は小学校低学年だと思いますが、声もよく通り、踊りも演技もりんとしていて、堂々としていました。

また高綱の妻の役で登場する女形の中村梅枝の息子も、やはり子役で登場していました。この子は幼稚園生くらいでしょうか。とても可愛らしかったです。

けなげな子役が武士の衣装を身にまとって登場すると、本当にりりしくて、可愛らしかったです。

また盛綱役は、菊之助の義理の父親った吉右衛門の当たり役だったそうです。

歌舞伎の世界はこのようにして、血縁を大事にして続いていくのだと思いました。

劇場のロビーには、真田の本拠地である上田市の展示などもされていました。私は以前、2回ほどここに行ったことがあるのですが、その頃はあまり興味がなくて、よく覚えていないのが残念です。


合戦の様子。


六文銭の前で写してもらいましたが、帯締めが解けている!


また今回は、お芝居の前に中村萬太郎さんの解説もあり、分かりやすくて良かったと思いました。

ただし、お客さんの入りが少なくて、残念でした。ニ階席などは、最前列しかお客さんがいない感じで、もったいなかったですね。

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この日の装い。

ちょいとお洒落しました。地模様に葉っぱの模様のある飛び小紋。最近、このような小紋が好きになりました。全体に小柄がある小紋よりもちょっと改まった感じがしますね。


照明の関係で、着物の色は、下の写真のほうがあっています。

帯はだいぶ前に購入した川島織物。これはリサイクルでも、私には高価でしたね。


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「一日一句」

春めく日 親子の芝居 胸を突く



2 件のコメント:

カンカン さんのコメント...

今日カットに5か月ぶりに出かけたのですが、駅でこのポスターを見て、見たいな~と思っていたところです。すいているのですね。イープラスの得チケが出ているのを知り、ネットで申し込んでいるのですが、アクセス多数でつながりません。行けるかどうかわかりませんが歌舞伎も何カ月も見ていないので、そろそろ行きたくなってきました。来月は玉三郎の歌舞伎座公演に行けるのですが。

おおしまとしこ さんのコメント...

曜日や時間帯によるかもしれませんが、お客さんが少なくて、勿体なかったですね。私は国立劇場のネットで申込みましたが。
今回は事前解説があってお話が分かりましたが、江戸時代の人たちは、現代の人間よりも歴史認識などの教養が高かったのではないかと思いました。