ここ一月くらいの間に読んだ本の簡単なまとめです。
私は根性がひねくれているのか、世間で評判が良い本よりも、あまり話題にならない本のほうが好みにあっているようです。
こちらの「三千円の使い方」という本は、新聞の書評欄でとても面白いと書いてあったので、買って読んでみました。
とくにあとがきで、ある女性作家が「死ぬまで本棚に置いて、何回も読み直したいほど面白い」と書いていたので、それほどすごいのかと思って買ってみました。内容は年代の違う5人の女性たちの、お金に関する話です。若い女性から子育て世代、老後の女性までが登場します。私の場合は、やはり70ウン才の老女があてはまるでしょうか。それぞれの生活が事細かく描かれていて、エッセイのように気軽に読めるのですが、死ぬまでそばに置いておきたい、というほどではありませんでした。一回読んだらそれっきり、という感じでした。すいません。
また「塞王の楯」は直木賞受賞作品ですが、受賞前から評判になっていたので、夫が買って、それを私が受賞後に読みました。
うーん、城の石垣作りの話は面白いといえば面白いですが、無名の職人が主人公なので、読んでいてその人の顔が見えてこないのです。たまに歴史上の有名人(お市の方の娘のお初さまとか、彼女の旦那さんの京極高次とか)が登場すると面白くなるのですが。それにとにかく分厚くて、出かける時に持ち歩くわけにはいかず、仕方なく夜寝る前にベッドの上で読むので、なかなか進みませんでした。あまり薄い小説も問題ですが、厚ければ良いというわけではないと思うので、もう少し削るなりして、軽い本にしてもらうと助かります。後半の決戦のところは、文章力があり、面白く読めました。
この2冊は評判になった本ですが、私としてはそれほど絶賛できませんでした。
やはり自分の感覚で選んだもののほうが、面白いですね。
以下は図書館で見つけてきた本です。
植松三十里さんの「徳川慶喜の本心」です。
これは幕末のややこしい話がよく分かるように、慶喜を主人公としてよく描かれていると思いました。幕末の話は何冊か読んでいますが、慶喜はどうもわかりにくい人でした。昨年は大河ドラマ「晴天を衝け」で草薙剛さんが演じていたので、少しは人となりが分かってきましたが、植松さんの小説はそれ以上に慶喜のことがよく描かれていて、面白いと思いました。
歴史物で言えば、房野史典さんという人の歴史エッセイ(?)は面白かったです。
春坂咲月さんという人の小説は、仕立て屋のイケメン青年が、豊富な着物の知識を総動員して、ちょっとした謎を解くお話です。
この本は、アガサ・クリスティ賞を受賞したそうですが、謎解きというよりも、着物のうんちくを語る部分のほうが多くて、着物のことを知らない人にとっては、それがどのように映るのか気になりました。
最後には、やはり安定のうまさを誇る宇江佐真理さんの時代人情小説。
何回読んでも、いいなーと思います。亡くなったのが本当に惜しい方でした。
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「一日一句」
朧月夜に やはり手に取る 時代物
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