今回の「源氏物語を楽しむ会」は、前回に引き続き、冷泉帝が夜居の僧都(よいのそうず)から出生の秘密を聞かされてしまった後のお話です。
ちなみに「夜居の僧都」というのは、夜の間、貴人のそばで修法を行う僧のことです。
こちらの絵は、中宮彰子の産後の安全を祈念する夜居の僧都。右は紫式部です。
帝は、僧都から「お前の本当の両親は・・・・」と話されて、実の父親である光源氏に問いただそうと思いますが、さすがにそれはできませんでした。
その代わり、古今の史書を読み漁り、昔にもそのような話があったかどうかを学習しました。
すると、秦の始皇帝も本来の父から生まれた子供ではなかったということが分かりました。お妃が呂不韋という人と関係を持ち、その男との子供であったという説があります。2000年前の話ですが、そのことが平安時代の日本にも伝わっていたのですね。
また日本でも57代の陽成天皇(868年~949年)は在原業平の子供であったという説もあります。そして陽成天皇は、清和天皇の本当の子でないということを知り、ぐれて奇行に走ってしまったそうです。
ところが源氏物語の冷泉帝はぐれることなく、光源氏のサポートもあり、まっすぐと育ったのでした。
今回の現代語訳の中で、おかしかったことは、「司召(つかさめし)」を「定期移動」と訳していたことです。「定期異動」のほうがまだ良かったのでは?
「司召」というのは、1年に2回、春と秋に行われる人事異動のことですが、秋には中央官庁の役人(大臣など)の異動が行われ、春には地方の役人の異動が行われたそうです。「除目(じもく)」とも言われていました。
現代でも異動は4月と10月に行われることが多くありますが、これも平安時代の頃から続いている行事なのですね。
それにしても当時の官位については、分かりにくいことが多くあります。
一番のトップは太政大臣、そして左大臣、右大臣、内大臣と続き、その後に大納言、中納言がいます。それとは別に右大将、左大将という位もあり、どうもよく分かりません。
現在の日本の官庁の組織や位も良く分かりませんけどね。
会場の集会所にある花壇には、とても立派なクリスマスローズが咲いていました。うちのクリスマスローズとは大違い。
手入れがよいと、こんなにフサフサの葉っぱが生えてくるのですね。
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この日の装い。
雨模様の予報があったので、久しぶりにポリエステルの着物にしました。
それにしても、どうしても背中にしわが寄ってしまいます。悩みの種です。
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「一日一句」
本当の父は誰かと 花に問う
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