2023年6月19日月曜日

玉川上水を歩く 17(桜橋の秘密)

さて、いよいよ小平市の玉川上水と、そこに架かる橋の紹介です。

このシリーズ初回の「小平市の地理」のブログに、玉川上水のほんの少し北側には「新堀用水」という小さな川も流れている、と書きました。その新堀用水にはちゃんと名前の付いた橋はこの区間では1箇所だけで、残りの橋は無名橋でした。

ただ、玉川上水に架かる橋と、新堀用水の掛かる橋は、ほぼ同じ位置に並行して架けられていたので、新堀用水の橋に名前がなくても、住んでいる人たちにとっては、それほど不便はなかっただろうと思います。

今回は「桜橋」についてです。

私が前回、5月末に桜橋を通ったときは、玉川上水の南側を歩いてきたので、新しい桜橋しか確認できませんでした。

ところがCさんの報告によると、上水の北側に古い桜橋の跡があるというのです。それは見落とすわけには行きませんよね。

ということで西武国分寺線の一橋学園駅で下車して、南方向へ向かいました。

ありました!


橋は土の中に埋められてしまったのか、橋名は「さくら」という途中までしか見ることができません。

ちょうど電車が走ったところを捉えられました。

欄干もかなり低い位置になっていました。

古い桜橋の欄干から、下に流れる玉川用水を写しているUさんです。


下の流れはこんな感じでした。写真ではよく分かりませんが、けっこう水量がありました。


古い桜橋の近くには説明板がありました。


「この橋は多摩湖線の工事に伴って大正末期にかけられました。当初は「梯子橋」と呼ばれましたが、昭和2年に、橋のすぐ南にできた駅名が玉川上水の桜の名所に因んで「桜堤駅」となったことから橋名が桜橋となりました。今はこの駅はありませんが、昔の欄干や「さくら橋」と彫られた親柱が線路の東側に残されています。交通量の増加などにより、拡幅されて架け替えられています。」

なるほど、西武多摩湖線ができた当初は、梯子橋と呼ばれていたのですね。

多摩湖線の踏切を渡って、玉川上水の反対側に行きました。私が前回、見た桜橋はこちらです。

やはり古い橋のほうが貫禄がありますね。

西武国分寺線の踏切を行ったり来たりして、新旧の橋を見比べました。

こんなふうに橋を確認するためには、川の左右両方向から見るのがベターなのですが、車が走っていたり、人が混雑していたりと、さまざまな条件があるので、なかなか全体を確認するというのは難しいですね。

ちなみに桜橋という名前の橋は、もう少し下流の武蔵野市にもあります。そのため、2つの橋を区別をするためにこの橋は「小平桜橋」と呼ばれることもあるようです。

玉川上水には桜はつきものですね。

「桜橋」ひとつでもこれほどのエピソードがあるので、一つ一つ確認していくと、大変な時間になりそうです。

次回からはもう少しスピードアップすることにします。

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「一日一句」

桜橋 桜が過ぎても 気にかかる


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